ショート: 隠れてやれば合法で

2022年9月11日 18:00

弁護士は私の言葉を復唱した。
「感情と欲望のまま生きる習慣ですか」
私は素直に頷く。
「心と体が解放に包まれ、止められず」

年齢的に女として自信をなくし、
バナー広告で幾度か、男女の出会いや
マンガの男女の絡みを目にし
「このまま私は枯れていくのか」
手元の携帯は魔法の箱で、
頭に膨らむ構想を試したくなった。

自撮りの画像を加工し、男女のサイトに流してみると、中年の男性が殺到した。
人を選ばす誘うと、経験豊富の巧みな技術で、
私は絶頂する。

男性を選ばなかったので、たちまち私は人気者。
その内、これらを記録し投稿するまでになった。

弁護士は私の顔を覗き込み、
「ご自身の飽くなき欲望を満たすのと、
行為は規範にそぐわないと思わず？」

投稿すると、注目の作品として紹介され、
想像しない欲求まで満たされ気持ち良かった。

隠れてやれば合法で
実年齢より若くなった気がし、
不特定多数の目に触れたら途端に違法になり、
単なる不埒で、違法の健康を得ていたことになる。