ペットショップには、アクセサリーと変わらない
高価な犬猫が昼寝をしたり
ケージを走り回って、繊細な体躯が華やかな
棚の下に「大特価300円」と
ミスコピーの裏へ書かれた赤文字に
真っ赤な目をした、真白なネズミが鼻をひくつかせ
中空に何かを探しているようだった
60万円の仔猫を見た後、真白なネズミは貧相な
日曜日の店内は満員で、誰も見向きもしなかった
甲高い声の犬猫は、王子さまやお姫さま
ケージには、毛羽立った毛布が入っているのに
真白なネズミは新聞紙を千切った上に立っており
「売れ残っても、いずれは冷凍ネズミ」
実家の冷凍庫を思い出しながら
死んでも需要はあると考えつつも
小さな歯を見せ、ピンクの鼻が動くのを
振り捨てるようで
籠ごと、引き取ったのが
なつが来る前、ネズミのブタ子との馴れ初め
16〜17年前の秋の一コマだった
参考・引用転載
https://pin.it/49YaX9P