見出し画像

伊達にお姉ちゃんはやってない

午後の着信は、弟が救急搬送された内容で
スマホの向こうから脳梗塞だと告げられた

うちは、脳家系とガン家系で
「弟は脳だったか」
こんなことを考えながら病院へ向かう

日曜日
弟が特大のボストンバッグに荷物を詰め
「何かあったら、よろしく」
豊後水道を震源地にした地震のあとで
柄にもなくナーバスになっているのか
わたしは適度な返事をしておいた


救急外来で1時間ほど待たされて
処置室へ通されると
よくしゃべる弟は
「ボーっとする以外に変わったことがない」
有休とGWを合わせて何日休もうか、呟く

手術もない、点滴だけで変哲のない弟を
大したことがなくて幸い
何枚も重なる入院への同意書にサインをしながら
耳を傾ける

ところが、状態は前触れに過ぎず
「本番はここからなんだ」医師から説明を受けた

2〜3日で急変する恐れがある

医師も最初は
「大したことがない」と思い
念のためにCT撮影をしたら
脳内の血管が詰まって、切れて
深刻な状態の脳みそだと教えてもらった

「脳梗塞って血管が切れるの?」
そんな質問を被せる間もなく
急変したら、弟は生涯半身不随になる
無慈悲な宣告を黙って聞いていた


ICUに運ばれる弟を廊下で見ていた
近い将来、弟を介護するかもしれない可能性を
漠然と想像する横で
疲労を隠せない母が長椅子に座り込んだ

「ももちゃんは強いね」
担架で運ばれる弟を
母は目で追いながら言う

幾つかのパターンを
シミュレーションするのをやめた

今まで、弟もわたしも
なんとかしてここまで来た
これからも、なんとかするに決まってる

弟へ
わたしの持っている運を視線で投げた

*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*

このような近況と
Xではシャドウバンになり
思うように皆さまへスキやリツイートなどが
できなくなりました

非常に申し訳なく思います

noteは個で活動しているように見え
団体で動いている様は分かり
協調性に欠くこと、不義理なのは承知しております

2024年4月23日 ももまろ

この記事が参加している募集

今月の振り返り