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ひとり遊びMAXを楽しめる幸運

連休明けを待ち、検査結果は
『オミクロン株陽性』と告げられた
オミクロン株って判明するのね、知らなかった

先週の土曜日から具合が悪く、発熱していた
連休中は、うちから30キロ離れた場所でしか
PCR検査や抗体検査をやってなかった
同じ市内なのに、遠い場所

今現在は、解熱して
嗅覚が全くどうやっても無い、何も匂わない

ご飯を食べても
大雑把な「甘い、しょっぱい」しか分からない
白菜を噛んで、甘さは感じず
飴を舐めて「ただ甘い」
肉は、噛み砕いているだけ

わたし、めちゃくちゃ面白い新世界へ突入した!

感性や感覚は
当然あるものがないので、別の感触を手にし
期間限定の特権を得た気分で、ときめいている

久々に入浴した折
無臭の風呂場が新鮮だった
浴槽に沈むバブは、膝裏を泡が撫でるだけで
「森の匂い」がない
さて、森ってどんな匂いだったかな

シャンプーやトリートメント、ボディソープ
ボディミルクの匂いも
裏書きを読みながら、かつて匂った香りを想像する
当たり前の匂いが、記憶に残っていなかった

永谷園の『松茸のお吸い物』があった
食してみると、塩水だった

こんなときに、日清『焼きそばU.F.O』を買い置きしてなかったとは
我ながら、しくじったと思っている
あのU.F.Oはどんな味なんだろう?

目の前に、にんじんがあったとき
一体どれぐらいの人が、にんじんの匂いを
明確に思い浮かべるのか

反対に、思い出の匂いは
現物がなくとも、匂いを思い出せている

春のフリージアや沈丁花
夏のスイカや花火の火薬
秋の金木犀や焚き火の煙
冬のストーブからする灯油や黒豆を煮る

これらは、ぼんやりと脳が記憶している
どおりで、記憶の中でも生きていけるわけだ
いつまでも忘れない青春がある

不自由や不安も伴うが
今は、せっかくだから無臭生活を堪能する
わたしだから掴める感性があるはず
ここへ来て、ひとり遊びMAXを楽しめる幸運