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振り返る思い出も一致しますように

珍しく、レオ氏がわたしに感心する
どうやら、わたし達は感性の一致が多いらしい
いわく「喜怒哀楽を示すポイントが同じ」だと
…今頃、気づいたんだね

資料館へ行った折、展示物に目を奪われ
寸分狂わないときに感涙し
互いが背を向けて涙を拭った

美術館や博物館も、同じ歩調で同じものに
関心の矛先があり
こんなにシンクロするのは
レオ氏がわたしに合わせているのではと思った

服を買うのに、付き合ってもらうと
「このスカートが似合いそう」指さすのは
わたしの好みに完璧で
貰ったプレゼントは、ハズレがない

だけど、必ずしも一致しない

「この歌が好き」
リリックの中で、特に気に入ったフレーズはズレ
「なんで、そこ?」に、ツッコミが入る

米津玄師『アイネクライネ』には
なにか隠し事をしているのかと問われ
当時、流行していた
Official髭男dism『Pretender』では、わたしが
別れを切り出したと、レオ氏は不機嫌になった

元々、音楽の好みが異なるので
思いもしないところへ釈明を要し
やっぱり擦り合わせていくのかと感じた

二人が笑ったり、拗ねたりしながら
パズルを完成させていく作業は満更でもない

生涯歩む中で、文句を言いながらもピースをはめ
どちらかの寿命が尽きたとき
どんな絵が眼を覆うのだろう

空気と同化する絵は、片方が居なくなったとき
初めて発色するんだと、ちょっぴり胸が痛い

振り返る思い出も一致しますように

開花を待つ紅色の蕾が
やがて白い花をつけ、散りゆくまでに桜色へ変わる
花びらが風にのるまで、一致しますように


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