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崇高な精神は手放した

要領がいいと言われることに嫌悪があった
嫌悪の結果、今は要領が悪い

中高大生と、他の人は
可愛いや優しいの褒め言葉で
わたしには、要領がいい
冷たい人とも揶揄されてきたので不本意だった

自分に関係ないことへ
首を突っ込むのが大嫌いだった
単純に煩わしいことは苦手

例えば、バレー部とテニス部が反目していた
わたしは陸上部なので
どちらの部活の子から愚痴を言われても
「ふーーーん、よう分からん」
事情を聞いても、恐らく解決は求めてないだろうし

どちらかの味方になり
どちらかの敵になるのを優しいと思わず
白黒つけると、後から自分の首を絞める気がした

運動場は1つで
それぞれの部活で使用するエリアが異なる
しかし、部室は同じ建物にあり
なんなら同じクラスで顔を合わす

それなら平等に接して損を減らすのがいい
腹黒仔タヌキは考えていた

腹黒仔タヌキを
「要領がいい、頭がいい」という人がいて
要領がよく、頭がいいのは
教室の片隅で自分達とは違う文化を持ち
バリアを張っているアニメオタクだと思った

善悪も損得もない場所で自分が好きなことへ
夢中な人達こそ賢い

自分がされて嫌なことは他人にしない
これが人間関係の前提条件だとして
事情を知りもしない外野からとやかく言われて
誰が嬉しいのか考えた

社会人になると、組織に学閥が働いていた
わたしは幸い、その他大勢

数の力で決定事項を覆す場面も見てきた
覆す前には、対立する派閥が
わたしのようなその他大勢にネガティヴキャンペーンを仕掛けてくる
(こんな時だけ仲良しか)

「わたし、頭が悪いので聞いても分かりません」


近年のわたしは
清い心を持とう
崇高な願いは、わたしをダメにする

慣れてない正義を振るうと損ばかり引いてしまい
無駄に考えることが増えて
自分が壊れていけど、報われることが少ない

わたしが自分へ狂気を覚えた瞬間まであり
腹黒仔タヌキだった、あの頃へ
わたしは戻らなければ自爆してしまう

腹黒仔タヌキは自分のことだけ
余力があれは友達のことも考え
狭い範囲で安定した暮らしを実現させるのが
精神を最も安定させる

今のわたしは古タヌキだが
ひっそり自分だけの楽しみを見つけて
方便という葉っぱを頭に乗せ
アホのレッテルを貼られることを名誉に思おう

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