浴衣姿で、縁日に行ってみたい
浴衣姿で、縁日に行ってみたい
下駄を鳴らしながら、金魚すくいをして
団体から離れた場所で、夜空に咲く大輪を見たい
夜のテンションに
イベントの興奮が併さるノリで
無邪気な時間を過ごしてみたい
願望だらけなのは、今日から広島市内では
『とうかさん』という夏祭りが開催され
それをラジオで知ったから
『とうかさん』へは、高校生の頃
幼なじみや友人と、学校帰りに繰り出して
そのときは高校の制服のまま
街の非日常へ呑まれていた
女子高生が制服なのは、それはそれで絵になる
私は浴衣を着て祭りに行った経験がない
12年くらい前
母が新しい浴衣を送ってくれた
紺色の生地に花火が描かれた浴衣は華やかで
しかし、着る機会がなく
引越しを繰り返すうちに、どこかへ行ってしまった
青春はとうの昔に過ぎ去り
成人式は、2巡目を迎えた
縁日は青春と若さ限定ではないのに
気持ちの上では、遠くにある場所
縁日というより、自分の命日が似合うときが来た
浴衣姿も、終身出られない入院時になる気がする
部屋を整理整頓する断捨離より
終末を迎える、身辺整理
やりたいことより、やり残したものを後悔する
綿あめを千切りながら、参道の人垣を分け
水風船や金魚すくいに目が惹かれ
イカ焼きの香りに、胃袋を掴まれる空間
独りで行ったところで、寂しいだけなのに