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中年は、愛と勇気で診察室の中

先週は、メンタルクリニックの通院日

「ももまろさん、眠れてます?食事は?」
通り一遍の問診が終わって
「ももまろさん!聞いてください!
とうとうステッパーを買ったんですよ」

先生は、寒い朝晩に散歩をしたくない
そこへテレビ通販のステッパーを見て
すぐ、注文したそうで

「ステッパーの効果的な使い方って
これだと思うんですよ」

先生は、椅子から立ち上がると
足踏みをしながら、アンパンマンマーチを歌い
足を踏み出した方の腕を前に突き出す
右足を踏むと、右腕をアンパンチする

「一緒にやってみません?」

先生とわたしは同年代
中年が診察室でアンパンマンマーチを歌いながら
「ね? ウエストにじわじわ効ません?
これ、体幹にいいと思うんですよ」

愛と勇気は友達にもなれるが
中年は、愛と勇気で診察室の中
足踏みし、抑揚のないアンパンマンマーチが歌える

先生を見ていると、歌詞の通り
♪ なんのために生まれて なにをして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ
今を生きることで 熱い心燃える
だから きみは行くんだ 微笑んで

「笑顔でね」
いくらでも言葉で言える、書ける
笑顔まで持ってくる先生の姿勢が
自らの顔を分け与えるアンパンマンのようだ