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ゴメンナサイ、毎年この時期が近づくと,じわじわよみがえる「あたしの黒歴史」

2月14日 
この日は「聖バレンタインデー」

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誰が、いつ、どこでこんなもの決めたんじゃ?

と、世界の中心で叫びたくなります。

というのは、この日はあたしにとって
おそらく

おれってバカだ~

と毎年叫びたくなる、「懺悔の日」なのです。


それは今を去るはるか昔。
あたしが高校生だった「昭和」の時代のお話です。

高校時代は「電車」で通学していたのですが
あたしの降りる駅周辺は、
いわゆる「学園街」でした

複数の学校がそこにありましたから
いろんな学校の生徒が行き交う駅でした。


そのころ、近辺の女子高校では、
2月14日に
女の子から好きな男子に告白していい

そういう風習があったそうです。
で、もし、その日に
チョコレートを渡されたら

「それが愛の告白」だ。

というシステムになっているという
今じゃあたりまえというか
もはやそんなのかんけーねー

みたいな風潮になっていますが。

昭和の時代、
女性が、まして女子高生が

「好きです」

なんていうのは、はしたない
と言われていた時期です。

それが堂々と「チョコ」という免罪符で
神が許す。という特別な日だったのです。

ですが、当時「厨二」を地で行く
アホ男子高校生だったあたしは

不覚にもそのような風習はまったく知らない


という前提で、次の行動を
およみください。

その日電車を待っていたあたしのところに
セーラー服の小柄な女子が
近づいてきました。

まったく面識がありません


するとその女の子は、
あたしにプレゼント風の袋を

さっと両手で差し出すと、

「受け取ってください!」

とだけ言い残し、
あたしにその袋を押しつけたまま

反対側のホームに向かって
走り去っていきました。

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制服姿でしたが

どこの制服かまったくわかりません

当時のあたしは年上好みで
女子大生かOL以外は

子どもにしか見えないので
興味の対象外でした

ていうか、よその学校の女生徒の制服を
識別できるやつ

そんな軟派な事はポリシーが許さん

で、続き。

電車に乗ったあたしは、
袋の口をちょいと開けてみました。

中には小分けになった
可愛らしいチョコレートが入っていました。

うわ、美味しそうだけど
ずいぶん親切な子だな・・。
ちょっとほっこりしました。

知らないとは恐ろしいことです

とはいえ、駅で見知らぬ女子高生にもらったものです
気恥ずかしいし、
一方的にもらっていいもんなのかな?

そういう気持ちもあって
おおっぴらにあけるわけにはいきません。
ですからあたしは、口を閉めて、
家で食べることにしました

しかし、車内にあとからどやどや入ってきた
あたしの悪友たち=(こいつらはもっと厨二)
が、めざとく可愛らしい袋を見つけます。

結果は目に見えています。

見せろ見せろと大騒ぎ
チョコだとわかると、

その場でハイエナのように
食べ散らかされてしまいました。

そら、もちろんあたしも食べました
一番食べる権利があるんですから

まぁ、思考レベルはこの程度

袋はもうぐちゃぐちゃになり
悪友の誰かに最後の一つを
完食されたあと。

その袋は下車駅のゴミ箱に直行してしまいました。

とても普段食べられるレベルのチョコではなく
バカ厨二どもは、

その味にうっとりしたのです。
乙女心は、どう猛な餓鬼に
哀れにも食い尽くされたというわけです。

次の日のことです。

学校帰りに、駅の前で
確かこの子だったかな?チョコくれたの。

くらいの認識しかない
見知らぬ女子高生に声をかけられました。
制服ではなく、私服姿だったので

よけい記憶が一致しません

完璧に鈍感うすらバカです。

「あの・・。読んでいただけましたか?」

「へ?・・なんですか?」

バカは何のことだか本当にわかりません


女の子は、かなしいというか、あきれた風というか
何も言わず。また走り去ってしまいました。

今から考えれば
告白の日のプレゼントです。

ふつー袋には
メッセージも入ってるよな
考えろよこの厨房

厨二男子によって、袋ごと駅のゴミ箱に
けなげな乙女の心のつぶやきは
捨てられてしまった

以来彼女(らしき)人と
面する事はなかった・・・

というか、あってもわからなかったそう思うのです。

あらためて神よ、聖なる愛の日に「懺悔します」
あたしは罪深き存在でございます。

愛の反対語は憎しみではなく、無関心なのだと

アーメン





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