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著…ブルック・バーカー 訳…服部京子『せつない動物図鑑』

 「ウミイグアナの鼻をなめるとしょっぱい」といった自力ではとてもじゃないけど確かめられない豆知識や、「アリが寝るのは1日に16分だけ」といった思わずアリの代わりに労働基準局へ駆け込んであげたくなる情報が載っている本。

 そんなことを知ってしまったら、テーブルの上を歩いているだけのアリを、「あ。アリ」という、たった3〜4文字の言葉を発すると同時にプチッと潰して殺してしまう人のことが、ブラック企業の社長のような酷い人に思えてきます。

 また、

 もしハチが時給800円で働いたら、お給料は約2000万円になります。もっとも、かれらは実際にはお給料はもらえませんし、ハチミツも人間に食べられてしまいます。

(著…ブルック・バーカー 訳…服部京子『せつない動物図鑑』 P121から引用)

 というのを読んだら、蜂蜜が大好きで、よく紅茶に混ぜたり、パンケーキにかけたりしているわたしは、なんだか自分が加害者のような気持ちになり、思わずハチに謝りたくなりました…。

 でも、蜂蜜って美味しいんですよね…。

 もう食べな…い…のは無理なので、これからは今まで以上にハチさんたちへの感謝を抱きながら、蜂蜜を味わって食べます!

 さて、わたしはこの本の中で、

 心臓が5つもあるミミズは「心はいくつもあるけれど、愛する人はひとりでたくさん」なんて思っているかもしれません。

(著…ブルック・バーカー 訳…服部京子『せつない動物図鑑』 P5から引用)


 という文が一番切ないと感じました。

 なんだか詩のようで素敵だと思いませんか?



 〈こういう方におすすめ〉
 生き物の生態に興味がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間くらい。

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