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著…榎本まみ『督促OLの修行日記』

 お金の問題が絡んだ時の人間の恐しさを教えてくれる本です。

 著者の職場は、キャッシングやクレジットカードの支払いが滞っているお客さまに入金のお願いをするコールセンター。

 手違いで引き落としが出来なかったり、たまたまその時だけ金銭的に苦しいので後で必ず支払います…、というお客さまばかりではありません。

 督促の電話をかけてきたコールセンターのスタッフに逆ギレして暴言を吐くお客さまの多いこと多いこと!

 支払うべきものを支払わないのだから、もはやあなたはお客さまではなく、お客さまモドキです、とわたしはこの本を読んでいて叫びたくなりました。

 キャッシングは借金だし、クレジットカードは何でも買える魔法のアイテムではありません。

 クレジットカード会社が代金を立て替えてくれているだけで、後から必ず請求がくるのですから。

 それなのにゴネる人が多すぎる!

 コールセンターのスタッフに対して「殺す」「死ぬ」といった物騒な言葉を繰り出したり。

 督促の電話をかけているだけなのにストーカー扱いしたり。

 詐欺電話扱いしたり…。

 「カードを止められて店でカードが使えず、恥をかかされた」

 「カードで買った物を気に入らなかったから払わない」

 などなど無茶苦茶な文句を言って、あたかも自分が被害者であるかのように振る舞うモンスターも存在!

 この本には、そんな理不尽なお客さまのエピソードと、お客さまによるダメージからスタッフが心を守るためのノウハウが掲載されています。

 コールセンターに限らず、どんな仕事をしている人でも、理不尽なお客さまから怒鳴られたり脅迫された経験は多かれ少なかれあるはず。

 しかもこの著者のコールセンターは、そもそも職場環境がかなりブラック…。

 この本を読んでいたら、同じ働く大人の一人として、困ったお客さまに対する苦悩に共感しつつ、世の中には「働き方改革」という言葉があるけれど上っ面だけではなく本当に働きやすい職場環境を国をあげて作っていかないとみんな心身ともにやられてしまっていよいよ働ける人が日本から激減して日本が更に滅茶苦茶になるなあ、と想像してゾッとしました。

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