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監修…大友義博『消えた名画』

 盗難に遭ったことのある名画や、今(2014年にこの本が発行された当時)もなお行方不明のままとなっている名画を紹介している本。

 フェルメールの『合奏』、レンブラントの『ガリラヤの海の嵐』『黒装束の婦人と紳士』、マネの『トルトニ亭にて』、ドガの『パドックからの退場』などなど…。

 名画はみんなにとって大切な文化の一つ。

 なのに、窃盗グループにとっては金目のものでしかないのが悲しいです。

 せめて美術に造詣が深い人が盗んでいたなら、どこかで誰かが大切に保管してくれているでしょうが、額縁から絵を切り取って行くという荒っぽい手段を取った犯人もいますし、くれぐれも破損及び汚損等していませんように…!

 P39には名画を「燃やした」と供述した人の話が載っているので、わたしは読んでいて言葉を失いました。

 息子が名画を盗んだと知り、怖くなった母親が名画をかまどに入れてしまい、その後かまどからは20世紀以降は使用を禁止されている特殊な顔料の成分や、19世紀以前に額縁用に使われていた釘などが発見されたそう。

 子が子なら親も親…。

 証拠隠滅をはかってしまうとは…。

 また、クリムトの『ピアノを弾くシューベルト』は、この絵を所蔵していた城がナチスによって意図的に焼かれてしまったため消失し、今ではカラー写真しか残っていないというから残念。

 失われたものは戻りません…。

 美しいものを作るのも、壊すのも、人間の業の一つなのでしょうか…?

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