著…木暮太一『カイジ「命より重い！」お金の話』

　こんにちは。

　お金の大切さを学びたい方におすすめの本をご紹介します。

カイジ「命より重い！」お金の話

　これは、漫画『賭博黙示録カイジ』の名シーンを例として使いながら、「借金体質」の人々にどんな特徴があるのか教えてくれる本。

　借金体質の人の思考そのものは決して特異なものではなく、

　「ケチだと思われたくない」

　「見栄を張りたい」

　「貧乏だと思われると恥ずかしい」

　といった、誰もが持っているものです。

　問題なのは、頭の中のブレーキが機能するか？　機能しないか？　です。

　借金体質ではない人は、「お金が欲しい。でも、借金をした後、返すあてがなくて大変なことになる」と考え、ブレーキがかかります。

　ところが、借金体質の人は「お金が欲しい。借金をした後、返すあてがないが、なんとかなるだろう」と考え、ブレーキがかかりません。

　借金に対する抵抗が無いのですから、負債額はどんどん増える一方です。

　「自分へのご褒美」と称して身の丈に合わない買い物をしてしまったり、「自分だけは騙されない」と謎の自信を持って詐欺にまんまと引っかかってしまったり、リターンが見込めないのに「自分への投資」という言い方でごまかして浪費をしてしまったり、借金を一時凌ぎするために更なる借金をしてしまったり…。

　余談ですが、わたしは生活困窮者自立支援事業の相談員としての仕事もしており、多重債務者の債務整理のお手伝いをすることがとても多いのですが、ブレーキがかからない人って本当にびっくりするような散財の仕方をします。

　ある種の自傷行為なのかもしれませんし、「自分だけは大丈夫」という正常性バイアスの一種なのかもしれませんし、実は知的障がいや発達障がいがあってその影響が出ていたり、バックに怖い人がいてその人にお金を吸い上げられていたケースもありました。

　が、どんな事情があったとしても借金は借金です。

　借りたら返さないといけません。

　漫画『賭博黙示録カイジ』のカイジはどんな危機的状況に陥ってもここぞという勝負に勝ちますが、並の人間ではお金も自由も命も失う羽目になるかもしれません。

　そうならないようにマネー・リテラシーを学び、自分で自分を守りましょう。