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編…みづゑ編集部『新装版 ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた』

 シンプルに。
 けれどダイレクトに心を打つ。

 決して描き込み過ぎない。
 けれど一筆一筆に魂を込める。

 そんなディック・ブルーナさんの美学が伝わってくる本です。

 ●ミッフィーを実際に描いている時の様子
 ●絵本を生み出すまでの過程
 ●ご本人へのインタビュー
 ●故郷ユトレヒトのこと
 ●青・赤・黄・緑のいわゆる「ブルーナカラー」と、やがて追加された茶と灰。この計6色のみの色遣いの理由

 といったことが紹介されています。

 この本の中で最も強く伝わってくるのは、

 「たとえどんなところに住んでいても、肌の色が違っても、友達になれるし、とっても親しくなれる」

(編…みづゑ編集部『新装版 ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた』 P35から引用)


 というメッセージ。

 ミッフィーと違って茶色いうさぎのメラニー。
 くまのボリス。
 ボリスの友達でコアラのコー。
 耳が片方だけ垂れているうさぎの男の子。

 ミッフィーとは違う個性を持つキャラクターを描くことで、肌の色が違う人、姿形が違う人、姿形が同じでも肌の色の違う人、障がいのある人を表現しているそうです。

 「みんなそれぞれ違って当たり前なんだ」ということをブルーナさんは絵本を通して伝えてくれています。

 「教えてくれる」と言うよりもり伝えてくれる」と言うべきさりげなさが、ブルーナさんの絵本が心地良い理由の一つでしょうか?

 ミッフィー自身も、可愛らしいけれど決して甘過ぎないですよね。

 想いが込められているのに決して押しつけがましくない、そのさりげなさがわたしは好きです。


 〈こういう方におすすめ〉
 絵本を作ってみたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間前後くらい。



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