編…みづゑ編集部『新装版 ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた』
シンプルに。
けれどダイレクトに心を打つ。
決して描き込み過ぎない。
けれど一筆一筆に魂を込める。
そんなディック・ブルーナさんの美学が伝わってくる本です。
●ミッフィーを実際に描いている時の様子
●絵本を生み出すまでの過程
●ご本人へのインタビュー
●故郷ユトレヒトのこと
●青・赤・黄・緑のいわゆる「ブルーナカラー」と、やがて追加された茶と灰。この計6色のみの色遣いの理由
といったことが紹介されています。
この本の中で最も強く伝わってくるのは、
というメッセージ。
ミッフィーと違って茶色いうさぎのメラニー。
くまのボリス。
ボリスの友達でコアラのコー。
耳が片方だけ垂れているうさぎの男の子。
ミッフィーとは違う個性を持つキャラクターを描くことで、肌の色が違う人、姿形が違う人、姿形が同じでも肌の色の違う人、障がいのある人を表現しているそうです。
「みんなそれぞれ違って当たり前なんだ」ということをブルーナさんは絵本を通して伝えてくれています。
「教えてくれる」と言うよりもり伝えてくれる」と言うべきさりげなさが、ブルーナさんの絵本が心地良い理由の一つでしょうか?
ミッフィー自身も、可愛らしいけれど決して甘過ぎないですよね。
想いが込められているのに決して押しつけがましくない、そのさりげなさがわたしは好きです。
〈こういう方におすすめ〉
絵本を作ってみたい方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間前後くらい。
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