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著…羽根田治『生死を分ける、山の遭難回避術 事例に学ぶリスク対策の基礎知識』

 ●実際に起きた遭難事故の事例
 ●登山中に悪天候の兆しをいち早く察知する方法
 ●低体温症や高山病の症状・予防方法・発症してしまった場合の対処方法

 といったことが紹介されている本。

 特にP12〜13に掲載されているケースを読んでいたら、わたしは鳥肌が立ってきました。

 具体的にどの山に登るのか家族に告げず、ただ「今日は天気がいいから、秩父の山に行ってくるよ」とだけ家族に伝えて、登山計画書を残すことも無く、携帯電話も持たず、ひとりで山に登ったまま行方不明になった男性の遺体が翌年発見され、遺品の中から一冊の手帳が見つかったそうです。

 その手帳には、男性が道を間違い、不安になって更に歩き続けて余計に迷ってしまい、誰かに道を尋ねたり助けを求めることも出来ず、ついに誤って崖から転落して自力で動けなくなるまでが記されていました。

 家族宛の遺書には、「この山行を中止していれば、せめて携帯電話を持って来ていれば」「転落する以前にもっと慎重に道をさがすべきだった」といった後悔が綴られていたそうです。

 この男性がどれほど怖い思いをしたのか…想像を絶します。

 寂しかったでしょう。

 無念だったでしょう。

 死の瞬間に何を思ったのでしょう…。

 また、ご家族も、この男性を早く見つけてあげたくてもどの山に登ったのかすら分からないから捜索することも難しくて、さぞ苦しい思いをしただろう…と思います。

 残された側には何も落ち度はないけれど、きっと「あの時どうにかして止められていたら…」と悔いが残ったのではないでしょうか?

 わたしも自然が好きなので時々登山をしますが、改めて山の恐ろしさに気付かされました。

 自然を甘く見てはいけませんね。

 人間は自然の中で生かしてもらっているだけ。

 人間が自然をコントロール出来るわけではありませんから…。

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