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さく…レイモンド・ブリッグズ やく…さくまゆみこ『風が吹くとき』

 こんばんは。

 戦争は他人事ではない、ということを教えてくれる絵本をご紹介します。

 可愛らしいコミック形式の絵本なのでさらっと読める…かと思いきや、なかなか読み進めることは出来ません。

 この絵本で描かれているのは、穏やかに暮らしていた老夫婦。

 「暮らしていた」と過去形なのは、その暮らしが核爆弾によって奪われたから。

 水も電気もラジオもテレビも新聞も止まり、代わりに夫婦のもとへやって来たのは、目まいと頭痛と激しい吐き気。

 夫婦は気丈にも、ポジティブなことを言ってお互いを励まし合いましたが、助けに来る人は誰一人としていませんでした。

 老夫婦の体には、放射能を浴びた人特有の症状がどんどん表れました。

 けれど、救助が来る気配は全くありませんでした。

 老夫婦はどんどん弱っていきました。

 それでも誰も助けに来てはくれませんでした。

 きっと来たくても来られなかったのだと思います。

 放射能のせいで。

 わたしは「もし自分や大事な人たちがこの老夫婦の立場になったらどうしよう…」と想像しながらこの絵本を読み始めたのですが、いや、誰であろうとこんな体験をさせてはならない…と震えました。

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