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著…ロバート・グレンビル 編…ナショナルジオグラフィック 訳…片山美佳子『絶対に出る世界の幽霊屋敷』

 こんばんは。

 古い建築物に退廃的な美しさを感じながらも、背筋がゾクッとして、早く立ち去りたくなった…という経験のある方におすすめの本をご紹介します。

 「絶対に出る」とタイトルに書かれているせいで、わたしはてっきり冷やかし目的の本かと思って敬遠していたのですが、読んでみたら凄い迫力。

 写真は加工しすぎな傾向がありますが、つい見入ってしまいます。

 説明文が少ないのは、想像力を掻き立て、恐怖を増幅させるためでしょうか。

 生きているのに無名の人も居れば、死してなお有名な幽霊も居るのだな、という皮肉さえ感じさせる本です。

 城、要塞、墓地、刑務所といった、いかにも多くの人の恨みが残っていそうな場所や、ホテル、病院、工場といった身近な場所にも、「幽霊が出る」という噂あり。

 きっと、古い建物特有のカビ、錆、汚れ、臭い、軋み、影といったものが、その場所に行く人の恐怖心を煽るのでしょうが…。

 その場所で「人ならざる気配」を感じる人たちが居るということは、やはりそこには誰かが居るのでしょうね…。

 また、わたしは生き物の形をした物には魂が宿る…と思っているので、

 ・米国マサチューセッツ州ハモンド城にある、人間をただ静かに観察しているかのような瞳をしたガーゴイル像(P28掲載)

 ・米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのイースタン州立刑務所にある、怒りの形相のガーゴイル像(P165掲載)

 といった像が今にも飛び立ちそうな気がして、わたしは怖いと感じながらもどこかワクワクしました。

 彼らが人間の愚行をどう考えているのか気になります。

 また、P208〜211に掲載されている、メキシコの人形島にある持ち主を失くした人形たちも気になります。

 すぐにでも喋り出しそうで、でもどこか物哀しい。

 元々は、数十年前に不可解な死に方をした少女の魂を慰めるため、その少女の物と思われる人形を木に吊るし、それを機に観光客なども自分の人形を吊るして行くようになったそうです。

 が、はじめは鎮魂といった意味を込められていたとしても、外気にさらされたせいか悲惨な状態になっている人形たちもいるので、ちゃんと鎮魂になっているのかは疑問が残ります…。

 壊れた人形たちを修復してあげたい…。

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