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著…田中智『田中智のミニチュアワーク』

 食べ物や雑貨等を表現した可愛らしいミニチュアの世界を堪能出来る一冊。

 「原寸大で作ったものをスモールライトで小さくしたのかな?」と思うくらい、細部まで凝った作り。

 例えば、P13で紹介されているレストランをイメージしたドールハウスの中には瓶詰めのミニチュアがあり、その中にはなんとローリエやパスタらしき物が詰められています!

 鍋やお皿といったキッチンツールも本物そっくり。

 「厨房は外から見えづらいところですが、省略せずに作りました」と著者はサラリと書いています。

 見えないところも手抜きなし。

 ザ・職人って感じで素晴らしいですね。

 この方の手にかかれば、パフェもカニクリームコロッケもケーキもローストビーフもベリータルトも美味しそうなミニチュアに大変身。

 「みんなミニチュアだから本物ではない」と分かっていても、この本を読んでいると、わたしはお腹が空きます。

 P28~29で紹介されているアンティーク風のミシンセットも驚愕の仕上がり。

 何ですか、この美しいエイジング加工は?

 まるで「銀髪の上品な老婦人が長年愛用していた品です」と言わんばかりの風情。

 また、「はさみは開くように作りました。遊べるミニチュアです」とこれまたサラリと著者が書いていて、それを読んでびっくりしていたわたしの目に「卓上ライトは点灯するように作りました」という一言が飛び込んできました。

 凄すぎてぐうの音も出ません。

 さて、この本にはミニチュア作りに必要な用具、素材、作り方も載っているので、見ていてとってもワクワクするのですが…、自分がこれらを真似して作れる気は全くしません!

 ただひたすら見惚れるのみ。

 なんだか魔法みたいですもの。

 わたしは出来ることなら、ドラえもんからスモールライトを借りて、一時的に借り暮らしのアリエッティや南くんの恋人のサイズになって、この本に出てくるドールハウスでミニチュアの家具たちと共にバカンスをのんびり楽しみたいです。

 目玉のおやじを世話する鬼太郎的な人を雇って食べ物などを調達してもらったり、元の体のサイズに戻る時のためにドラえもんからビッグライトを借りるのも忘れずに…。




 〈こういう方におすすめ〉
 ミニチュアサイズの工作が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 作品の一つ一つに見惚れるので、ざっと目を通すだけでも1時間はかかります。
 実際に作ろうとするとかなりの時間を要すと思いますが、わたしは実際には作れなかったので計測不能です。

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