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著…中村うさぎ『死からの生還』

 美醜、性的価値、SNSの著名人なりすまし問題、同調圧力、ヒエラルキーなど、たいていの人が「世の中って所詮そんなものだよね」と諦めてスルーしてしまいがちな事柄について、なぜ? と考察している本。

 うさぎさんの、

 「諸君、我々はもっと積極的に堕落しようではないか。誰かを求め、誰かを必要とする自分を恥じる必要はない。死から生還した私が心から伝えたいのは、このことなのである」
(『死からの生還』から引用)

 というメッセージが素敵です。

 人は誰しも、他者無くしては生きられませんものね。

 なお、この本のタイトルに「生還」の文字があるのはなぜかというと、うさぎさんがご病気によって呼吸停止と心肺停止を三回も経験したからです。

 臨死体験と聞くと、特別な体験というイメージがあって、それを機に人生観が変わってしまいそうな気がしますが、うさぎさんはうさぎさんのまま。

 相変わらず赤裸々な下ネタが全開!

 考えてみれば、死は常に生と共にあるもの。

 蘇生後の人生を送っているからといって、以前と変わる必要はないのかもしれませんね。

 メメント・モリ。

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