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著…しきみ『悪魔』

 まるで夢と現実の間を揺蕩うかのように怪奇で不思議な文学作品を、美しいイラストと共に堪能出来る本。

 『乙女の本棚シリーズ』の中でしきみさんが描いたイラストの中から、ご自身が選んだ作品と、描き下ろしの『悪魔』が収録されています。

 萩原朔太郎の『猫町』、江戸川乱歩の『押絵と旅する男』、夏目漱石の『夢十夜』、坂口安吾の『桜の森の満開の下』、谷崎潤一郎の『魔術師』、芥川龍之介の『悪魔』。

 どれも素晴らしい作品なので、まとめて読めるなんて得した気分です。

 耽美な雰囲気がありつつも、怖さや暗さは無く、どこかポップな印象もあるイラストが付くことで、作品の持つ多面的な魅力に気づくことが出来ます。

 こういう解釈もあるんだ…! と新鮮に感じます。

 また、こうして大きなサイズの本で読むと、作品の世界観にどっぷり浸りやすいのが嬉しいです。

 良い機会なので、わたしは『乙女の本棚シリーズ』をそれぞれ読み返してみたいと思います。

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