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作…フランク・ボーム 訳…幾島幸子『オズの魔法使い』

 人生って、何が起こるか分かりませんよね。

 自分がいつ、誰と出会って、お互いの心がどう変化するのか。

 誰にも予想出来ません。

 ふとした出会いによって、様々なことが変わります。

 そしてその沢山の小さなことが、やがて大きな結果を生み出します。

 これは、そう気づかせてくれる児童文学。

 だって、まず、みなしごのドロシーが、おじさん・おばさんと共にカンザスの小さな家で住んでいたかと思えば、ある日大きな竜巻で家ごと吹き飛ばされるのですから…。


 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。


 ドロシーは、自分でも知らず知らずのうちに東の魔女を殺し、やがてエメラルドの都にいるオズ大王に会いに行き、その旅の途中で旅の仲間を得ることになります。

 思いがけないことの連続ですよね。

 トトも、かかしも、ブリキのきこりも、ライオンも、自分たちがこんな冒険をすることになるだなんて、以前は想像もしていなかったはず。

 そして、みんな、仲間たちと冒険をするうちに、自分ひとりでいる時は気づけなかった自分の長所に気づきます。

 自分で考える頭も、誰かを想う心も、ここぞという時に発揮する勇気も、誰かに与えてもらう必要などなく、全てが自分に備わっていたことを。

 これまでは気づかなかっただけ。

 きっと、一人ではいつまでも気づけないままだったのではないでしょうか。

 誰かが自分に影響を与え、自分もまた、誰かに影響を与えていく…。

 人と関わることの不思議さや奇跡に気づかせてくれる物語です。



 〈こういう方におすすめ〉
 不思議な冒険物語を読みたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間半〜3時間くらい。

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