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リナ・プライオプライト監督『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』

 このドキュメンタリー映画に出てくる女性たちは皆、年齢を重ねています。

 若くて62歳。

 最高齢はなんと95歳超え!

 でも、この映画に登場する女性たちは皆「年齢を重ねた」人たちですが、その中に「老いた」人は一人もいません。

 皆とびっきりお洒落!

 まるで、年齢をもアクセサリーの一部にしてしまったかのよう。

 以下は彼女たちから飛び出した名言です。

「一つのコーディネートを完成させるのに7年かかったこともあるわ。合うイヤリングが見つからなかったの。画家が未完成の絵を世に出さないのと一緒よ。わたしは洋服で絵を描いているの。宝石、帽子、ピン、靴、スカーフなどが揃って初めて完成するのよ」
(ジポラ・サラモン)
「若く見えるよりも魅力的に見せたいの」
(ジョイス・カルパティ)
「人生という劇場のために毎日着飾るの」
「爪を磨くことは女性の嗜みよ。綺麗な靴を履くのも同じ。お金が無くてもね」
(リン・デル・コーエン)
「私は体を土台にして作品を作り上げるの。集めて、組み立てて、構築するの。生地の質感、重ね合わせ、色合いを考え、自分に似合う最終形を目指すのよ」
(デボラ・ラポポート)
「自分に自信を持てない低迷期もあったけど、アートに囲まれて可能性に気づいたの」
「お互いに違うって素敵ね」
「何をするにも遅すぎることは無いわ。美は年齢と無関係よ」
(イロナ・ロイス・スミスキン)
「素敵な格好は周りにもいい影響を与えるわ」
(ゼルダ・カプラン)

 そんなパワフルな彼女たちが時折見せる寂しさも印象的です。

 夫や長年お世話になった人に先立たれたり、一人暮らしで寂しい。

 でも、ファッションが癒しになる。

 カラフルだったりシックだったり、それぞれ違うファッションを楽しんでいる。

 それがとっても素敵。

 特にイロナの付けまつ毛がとってもチャーミング!

 赤とピンクの間の色で、くるんと程よく柔らかくカールして、ふっさふさ。

 わたしもこの付けまつ毛が欲しい!と思ったのですが、

 イロナ曰く、

 「ずっとフランスの職人が作った付けまつ毛を使っていたんだけど、職人が亡くなったから困ったわ。今は自分の髪の毛で付けまつ毛を自作してるのよ」

 ということなのでビックリ!

 器用ですね!

 また、リンが急病になったけれど我慢しようとした時に、リンの友人が言った言葉にも驚かされました。

 「死んだら殺すわよ! 今すぐ救急車を呼んで!」

 死んだら殺す、とは何事!?

 死んだ人をどうやって殺すのでしょうか…という不粋なツッコミをしたくなるけれど、リンに死んで欲しくない友人の気持ちがこの言葉から痛いほど伝わってくるし、友人の言葉に従ったことでリンは命を取り止めたのだから友情って本当に素晴らしいですね…。

 イロナも認知症になった友人宅を訪問しています。

 年齢を重ねてもお洒落なのは勿論、友人を大事にする女性をわたしの目標にしたいと思います。

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