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おぼえがき

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覚書:言葉の外へ

覚書:言葉の外へ

”…「言葉がなければ伝えることができない」とか「言葉がなければ残すことができない」というのは、だいいち本当か。私は子どものときから今にいたるまでずうっとそうなのだが、一生懸命しゃべると、
「もっとわかるようにしゃべってくれ。」
と言われる。それはおかしい。こっちは全力をこめて、全身を使って、伝えたいことを言葉と声と動作で発したのだ。なぜそれに対して相手は「わかる/わからない」という、ふんぞり返って

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覚書:「うしろめたさの人類学」

覚書:「うしろめたさの人類学」

皆さんは日常において「うしろめたさ」を感じることはあるだろうか。
私はある。例えば、混んできたカフェでおかわり自由のコーヒーをおかわりしながら本を読んでいるとき。誰かが席を探しに来ていることに気がついても、その席を私は動かない。そんなときだ。

本書では、この世の中がもっとよい社会になるにはどんなことが必要なのかを、贈与や交換といった行為、国家や市場といった立場など大きな概念から日々の暮らしを見つ

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覚書:「デザインの輪郭」

覚書:「デザインの輪郭」

”「ふつうに思ったことを淡々とやっていればいいんだ」とわかったから強くなったのではないかと思います。
僕も、かつてはふつうじゃないものをつくろうとしていたわけですね。
デザイナーというのはそういうものだと思っていたから。
特殊なものをつくろうとしたときに、
「やっぱりふつうのものがいいな」と思って、開き直った。

いろいろな製品なり、デザインを自分なりに評価してみて、
こぼれ落ちていく砂の中で最後

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覚書:「あなたの人生の物語」

覚書:「あなたの人生の物語」

”…そもそものはじめからわたしは自分の運命を知っていたし、当然のものとしてそのルートを選びもした。けれど、わたしがめざしているのは歓喜の極致なのか、それとも苦痛の極致なのか?わたしは最小と最大のどちらを成就するのだろうか?…”

映画を観てこの作品を知った僕は、やはり「あなたの人生の物語」に惹きつけられた。
人と言語の関わり。ドラスティックに環境を変えることで、そのあり方を描いている。

大学でド

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覚書:「女のいない男たち」

覚書:「女のいない男たち」

”…全ての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている、というのが渡海の個人的見解だった。どんな嘘をどこでどのようにつくのか、それは人によって少しずつ違う。しかし全ての女性はどこかの時点で必ず嘘をつくし、それも大事なところで嘘をつく。大事でないことでももちろん嘘はつくけれど、それはそれとして、一番大事なところで嘘をつくことをためらわない。そしてそのときほとんどの女性は

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覚書:「読んでいない本について堂々と語る方法」

覚書:「読んでいない本について堂々と語る方法」

”本との出会いというものは、どんなに取るに足らないものであれ、またたとえ本を開くにいたらないにせよ、本を真の意味で我がものとする第一歩となりうるのである。極論すれば、一度でも出会ったあとに未知でありつづけるような本はひとつもないといっていい。”

タイトルはあまり好きじゃなかった。
こういうHowtoが書かれていそうな本はnot for meだと距離を置いてしまう。
ただ、よく聴いているポッドキャ

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