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#小説
腐る程された質問に今さら答える
インタビューに限らず、商談で、飲み会で、腐る程されてきた質問がある。それなのに、今に至ってもまだ、上手く答えることができない。
ひと月に何冊くらい読むんですか?
1冊なのか100冊なのか、わからない。ひと月につぶグミを何粒口に入れるのかわからないくらいわからない。
だが、クリープハイプのアルバム「世界観」に収録された「バンド」という名曲で、そういう質問に《今更正直に答えて》いる姿がかっこ良く
なにを言ってるのかさっぱりわからない文
全ての人に誤解がないように、誰にでもわかるように書こう書こうとすると、文章というものはみるみる面白くなくなるから困ったものである。
でも誤解しないでほしいのだが…と書いて、あっ、それは今からこれも面白くない文章になっていくってことか?と思ったが、多分違うと思う。思いたい。
この道すべるから気をつけてと言ったそばから自分がステーンとすべって恥をかくアレだったらどうしよう。
もういいや。
なにを言ってるのかさっぱりわからない本
全裸でベッドに寝っ転がって口を開けてスマホをいじっていても、自分が何屋であるかは決して忘れていない。
#字面は追えたがなにを言ってるのかさっぱりわからなかった本
タイムラインに流れてきたハッシュタグに、本屋センサーが反応した。
正座で猛然とTwitterを遡る。
一体どの本が、まるで異世界からの交信のような言われ方をしているのか。本屋として、見過ごすことはできない。
すると…出るわ出る
これは『アクシデント・レポート』が最高に面白かったこととは、全く別の話です。
今からすごく恥ずかしいことを告白する。
なんだかもう、言っちゃいたい気分なのだ。
樋口毅宏の『アクシデント・レポート』という小説を、ここ2週間持ち歩いていた。600ページ超、ハードカバーの2段組で、価格は3,100円(税別)。存在がクレイジーだ。
この厳つい単行本のおかげで、トートバッグを右側に掛ける私のコートは、そこだけ擦れてテカテカしている。
でもそのテカテカを、悪くないと思っている。
川沿いに住む売れない小説家は④
『川沿いに住む売れない小説家は③』のつづき
川沿いに住む売れない小説家の、命を懸けた最後っ屁みたいな小説は、ゲラを送った書評家からはまったく見向きもされず、編集者との信頼関係も壊れた今、宣伝やパブリシティの機会も皆無だった。
せっかく帯用にもらった最強コメントも、彼は宣言通り帯に使わなかった。
まさか、彼の心に深く刻まれるだけで終わるのか。
実際彼は、そのコメントを己に刻み込むつもりだった