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#俺本
サイン以外何でもします
ここ10年で、日本一作家にサインを書かせた書店員は、私かもしれない。
新刊発売時の書店訪問では、欲張って段ボール単位でお願いすることもあったし、たまたま買い物に来た作家を目ざとく見つけて、バックヤードに引きずり込んだことも数え切れない。たくさん書きすぎて、自分の名前がゲシュタルト崩壊した作家もいた。
私はその横で、餅つきの「あ、よいしょー!」みたいに調子良く半紙を挟んだり、「どっこいしょー!」
フリーアプリを入れたスマホを尻ポケットに入れながら。
警察の拳銃は5発装填と言われるが、私のiPhoneも連写は5発までだ。
いつもシャッター音を消すアプリで写真を撮っているが、有料グレードアップをしていないから、5回に1回広告が表示される。それは左上の小さな×マークをタップしないと消えないため、必ず撮影が中断してしまうのだ。
今確認したところ、アプリで7314枚撮影していた。つまり通算1462回、見たくもない広告を見せられて、ともすれば大事なシャッ
1銭も出ない内職とかやってます。
※少し文章を考えて訂正しました
子供の頃、お風呂掃除をすると、勉強机に500円の図書券が1枚置かれていた。
今考えると、そんな割のいいアルバイトはこの世にない。毎日やればよかった。
母親にしたら、500円玉をあげるのと図書券をあげるのでは、意味が違ったのだろう。しかし私にしてみれば、欲しいものがたいてい買える紙きれ、つまりお金とほとんど同義だった。
現在は図書券の発行が終わり、書店で買える
ミラノ風ドリアは現金で【電子マネー編】
『ミラノ風ドリアは現金で』【クレジットカード編】のつづき
私が書店で働き始めた10年前には、すでにクレジット端末があった。だが交通系マネーが導入されたのは、それから何年か後である。クレジットカードのようにサインや暗証番号の入力が要らず、出てくる伝票の処理も簡単で、混雑時は本当にありがたかった。繁忙期など1日に200人の会計をしたこともあるが、全て現金だったら、170人が限界だったと思う。私はお札
川沿いに住む売れない小説家は④
『川沿いに住む売れない小説家は③』のつづき
川沿いに住む売れない小説家の、命を懸けた最後っ屁みたいな小説は、ゲラを送った書評家からはまったく見向きもされず、編集者との信頼関係も壊れた今、宣伝やパブリシティの機会も皆無だった。
せっかく帯用にもらった最強コメントも、彼は宣言通り帯に使わなかった。
まさか、彼の心に深く刻まれるだけで終わるのか。
実際彼は、そのコメントを己に刻み込むつもりだった
ミラノ風ドリアは現金で【クレジットカード編】
家賃を払い込んだら、現金が手元に410円しか残らなかった。だが、社会的信用をまだ失っていない私には、クレジットカードがある。
コンビニはもちろん、隣駅の大きなスーパーはクレジットカードが使える。給料日まであと10日もあるが、カードさえあれば大阪にだって仙台にだって行けるのだ。(ライブハウスのドリンク代だけなんとかすれば)いつも通りの生活である。
だが、ひとつだけ大問題があった。平日のランチだ。
ビニール袋に続きまして、紙袋問題(未解決)
子供の頃、休日に連れて行ってもらった大型書店の帰り道は、私も親もそれぞれ紙袋を手に提げていた。
何冊かまとめて買ったとはいえ、子供が持てる重さである。今よりも紙の手提げに入れてくれるハードルは、明らかに低かった。
それから数十年後、書店で働くようになって、まず本の利益率の低さに仰け反った。私が以前働いていたアイスクリーム屋では従業員割引が30%で、半額じゃないのかよーと残念に思ったものだが、書店