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母と家で過ごした日々 在宅緩和ケアと在宅看取り

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亡くなった母と過ごした最後の日々、その後の移ろいゆく自分の心について書いています。 母は末期の卵巣がんでした。 終末期に、緩和ケアを受けながら自宅で過ごし、自宅で父に手を握られ…
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#緩和ケア

いかにもお母さんらしいね

いかにもお母さんらしいね

金曜日に、お医者さんから

お母様のお迎えの時が
近づいているかも知れません
もしかしたら今晩か明日にでも

と、連絡があった。

土曜日に、遠く遠くから
母の兄弟が会いに来てくれることになっていて
間に合うかどうかも分からないほど
切迫しているような状況だった。

母は
しんどくてしんどくてたまらないだろうに
多分、皆んなが到着するのを待っていた。
朝の8時に弟さんが
午後の3時過ぎにお兄さんが

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生きるってなんだろう

生きるってなんだろう

「苦しい」

昨日、朝様子を見に行くと、母は目も開けられず、ほとんど声も出せず、絞り出すようにそう言いました。

少し前から辛い時、痛い時は、持続皮下注射のレスキューボタンを押すことになっていますが、辛すぎて、ボタンがどこにあるか探せなかったため、どんどん辛くなってしまったようです。

レスキューボタンを押してから、母の手に握らせて、何度押しても危険な量は出ないように設定されているから、いつでも押

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いのちのかぎり 〜生まれたら、いつか必ず死ぬということ〜 2

いのちのかぎり 〜生まれたら、いつか必ず死ぬということ〜 2

末期癌で、出来る治療がなくなった母は、8月から在宅療養、緩和ケアをしています。

母との最後の時間になるかも知れない。
悔いのないように過ごしたい。
やれる事は出来るだけやってあげたい。
そんな今の状況を記録出来たらと思い、書き始めました。

が、思ったほど書く時間が取れなかったり、気持ちや身体がしんど過ぎて、書き進められなかったり。
そうしているうちに、どんどん時間だけ過ぎていっています。
少し

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いのちのかぎり 〜生まれたら、いつか必ず死ぬということ〜 1

いのちのかぎり 〜生まれたら、いつか必ず死ぬということ〜 1

卵巣がんでずっと治療してきた母。

7月の中頃体調が悪化して

腸閉塞で入院した

良くなっていないうちに退院となり

家に戻っても

食べたり飲んだり出来ないほどに

衰弱してしまった

腹痛や嘔気嘔吐も酷く

このままでは

苦しみ、のたうち回って

命も尽きてしまうだろう

父も母も

抗がん剤をしたらまた元気になると信じて

母はこれまで

辛い治療をずっと頑張ってきた

でも、抗がん剤に

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