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【うつになった大学生】    自他境界をひく

母とわたしの間には境界線がない。

母はわたしのことを自分のことのように扱い、自慢し、支配している。

わたしもまた、自他境界が曖昧で、そのことにずっと悩んでいたことに気がついた。

正確に言うならば、ずっと悩んでいたことの原因が、自他境界の曖昧さにあったのだということにようやく気がついた。

幼い頃から、とにかく他人に対して怒りの感情を抱くことが多かった。

それは、わたしの性格の悪さのためだとずっと自分を蔑んできたけれど、その原因は母との共依存にあったらしい。

常に母はわたしとの境界を超えて侵略してくる人だった。

だから、わたしも当たり前のように他人の境界を超えてしまっていたのだと思う。

なんでも自分の思い通りにならないと気が済まなかったわたしは、いつも他人を支配しようと必死だったのだろうと思う。

大学一年生の夏に行ったインターンシップで、わたしは初めてコーチングを受けた。

そこで自分の未熟さを目一杯知らされたわたしは、徐々に他人との間に境界線を引くことを覚えていったような気がする。

それからだ。わたしの生きづらさが徐々に姿を表してきた。

それまでは、生きづらいとさえ思っていなかったような気がする。

ただ、自責思考で、自分が悪いと考えて、それを打ち消すかのようにさまざまなことに没頭した。

没頭している間は、自分の中にある空虚感に気がつかずに済むから、必死に忙しくしていたのだと思う。

それは、両親のような大人にはならないための努力でもあった。

そしてその凄まじい努力の連続はエネルギー切れとなって終了した。

それからの毎日は、ずっと心に空虚感を抱えて生きていた。

それを埋めるためにあらゆることを試したけれど、今は傷ついたわたしだけが呆然と立ち尽くしている。

母は、わたしが入院してすっかり元気になったと思っている。

確かに、段違いに動けるようになったし、日常生活をこなせるようになったことは回復だと思う。

けれど、わたしの心の底に横たわる根本的な問題の数々が結局何も解決されないまま、今も横たわったままでいる。

そのことを母は知らないから、どうにかして知らしめてやろうと手を尽くそうとする。

言うなれば、わたしは21年間もの間心に空虚感を抱え続けてきたことになる。

そして、父や母はその空虚感を埋めることは、生きている限りほとんど無理と言えるだろう。

それは、わたし自身がなんとかして埋めなくてはならないものなのだろうけれど、その方法は未だわからずにいる。

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