本のおはなし side-B

clubhouseにて「本のおはなし-児童文学・絵本を中心に」という部屋をはじめました…

本のおはなし side-B

clubhouseにて「本のおはなし-児童文学・絵本を中心に」という部屋をはじめました。朗読ではなく、教育的観点からでもなく、ただただそれぞれの好きな本、絵本の記憶、子どもへの読み聞かせで感じたこと、音や色のこと、そして子守唄。午後のひとときゆるりとおはなししていきます。

最近の記事

[本のおはなしvol.27]「万次郎さんとおにぎり 」

9月最終日のおはなしは新米が楽しみなこの時期にぴったりなこちら 『万次郎さんとおにぎり』 息子の通う保育園の絵本図書室で、表紙のおにぎりくんに一目惚れ! そして息子との絵本タイム、声に出して読んでみて驚きました。初めて読むのにスラスラと読める…どうやら発声が楽なのです。読み聞かせをしていて、発声し易いと感じたのは初めて(笑)。言葉選びのおかげか、それとも私の声帯と昔話風の(四国の方言らしい)語り口調がハマったのか、なぜでしょう?そしてこれは私だけ?ぜひ皆さん声に出して読んで

    • 「本のおはなしvol.26]『世界のあいさつ』(みるずかん・かんじるずかん)

      あっという間に9月も半ば!で、やはり毎度驚いてしまいます。 子どもの学校も始まり、また日常が戻ってきたかな。と思いきや、 分散登校というNEWスタイルが始まり、まだまだなかなかリズムを掴めない今日この頃。”本のおはなし”の時間が、ちょっとホッとする時間になっています。 さて、今回選んだのはこちら。 『世界のあいさつ』(みるずかん・かんじるずかん) 長 新太 (著), 野村 雅一 (監修) 副題に、「みるずかん・かんじるずかん」とある様に、世界の様々なあいさつが長新太さん

      • [本のおはなしvol.25]「かぼちゃ人類学入門」

        9月に入り、金木犀の香りや日の短さに秋を感じます。 三週間ぶりとなった本のおはなしは『かぼちゃ人類学入門』 出会いは「たくさんのふしぎ」という1985年4月創刊の福音館書店の月刊誌。他の月刊絵本は乳幼児向けのものですが、こちらは小学生向きの科学雑誌。 幼少期、両親がずっと福音館書店の月刊誌を定期購読してくれていました。「たくさんのふしぎ」は「こどものとも」や「かがくのとも」を卒業した我ら兄妹の最後の定期購読、創刊号から1991年くらいまでのものが実家に揃っています。 「科

        • [本のおはなしvol.24] 「ロージーのおさんぽ」

          夏も真っ盛り。”本のおはなしvol.24”はその泰然自若っぷりが眩しいロージーの在り方が痛快なイギリスの絵本『ロージーのおさんぽ』を取り上げました。 ロージーは、全てお見通し? イギリスの田園風景を思わせる景色の中の、ごく普通のある一日。 めんどりのロージーの呑気なおさんぽのお話、かと思いきや表紙の左端、ロージーを虎視眈々と狙うキツネの存在が! キツネは常にロージーから目を離さず、隙あらば!という雰囲気。 一方のロージーといえば、常に前進あるのみ。 この絵本の中でただ一

        [本のおはなしvol.27]「万次郎さんとおにぎり 」

          [本のおはなしvol.23] 「ねむたいねむたい」

          猛暑日が続く頃の本のおはなし。 「こう暑いとただただ眠たい。涼しいところでぼんやりしてたーい!」と言うことで『ねむたいねむたい』『ねられんねられんかぼちゃのこ』の2冊をご紹介しました。 作者のやぎゅうげんいちろうさんは子どもの頃から大好きな作家さん! 福音館書店の月刊絵本「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」で読んだ『あしのうらのはなし』『ハハハのがくたい』『ゆうれいをみる方法』など、少ない色と太い線で描かれた絵と手書きの文字、内容もユーモアに溢れていて夢中になりました。体

          [本のおはなしvol.23] 「ねむたいねむたい」

          [本のおはなしvol.22]「じぞうぼん」

          まだまだお盆には早い時期でしたが、”本のお話vol.22"は、お盆先取りでお送りしました。 今回取り上げるのは1982年に福音館「かがくのとも」シリーズの中の一つとして出版された『じぞうぼん』 関西地方では、夏休みの終わりを告げる風物詩としても馴染み深い方も多い、地蔵盆のルポのような絵本です。 子どもが主役のお祭り「地蔵盆」 地蔵盆とは、主に近畿地方を中心に8月は23、24日の地蔵菩薩の縁日頃に行われる子どもが主役のお祭りです。 子どもの守り神と言われる地蔵尊をきれいに飾

          [本のおはなしvol.22]「じぞうぼん」

          [本のおはなしvol.21] 「もじもじこぶくん」

          梅雨も明け、夏休み目前の本のおはなしは、アイスクリームを買いに行くかわいい一冊。『もじもじこぶくん』です。 表紙からしてなんともかわいらしい!きくちちきさんの絵がこぶくんのもじもじ具合をとても良く表現していて、本当にもじもじ動いているかのよう。 さて、こぶくんなぜもじもじしてるのでしょう? …恥ずかしがり屋さんのこぶたのこぶくん、アイス屋さんで注文したいのに、なんだか恥ずかしくなってしまって、もじもじもじもじ。どんどん他のお客さんが注文していく中、もじもじもじもじ。うなだ

          [本のおはなしvol.21] 「もじもじこぶくん」

          [本のおはなしvol.20]「かしこいビル」

          本のおはなしも、なんと20回目!半年近く続いている!ということで、 何かスペシャルな演出を!と思いつつ、 普段と変わらず淡々とお届けしてしまった本のおはなしvol.20ですが、 『かしこいビル』について、その素敵さが少しでも伝わればという思いで side B お届けします。 『かしこいビル』は、作者のウィリアム・ニコルソンが自分の娘メリーのために描いた二冊の絵本のうちの一冊で、1926年にイギリスで出版された絵本。約100年もの間読み継がれているロングセラーです。 美術学

          [本のおはなしvol.20]「かしこいビル」

          [本のおはなしvol.19] 「あさになったのでまどをあけますよ」

          おはなしでも毎度毎度言い訳してますが…繁忙期のドタバタですっかりnoteにまとめるのが遅くなってしまいました(反省) そんな落ち着かない日々の中でのおはなしは… 目が覚めるような、気持ちの良い一冊『あさになったのでまどをあけますよ』 つい先日図書館で見つけた一冊、表紙に惹かれて「荒井良二さんだ〜」とページをめくると…混沌としていた頭の中にスコーン!と爽やかな風が吹き込みました。 こちらの絵本、初版は2011年12月。作者の荒井良二さんは山形出身、この絵本は東日本大震災とも

          [本のおはなしvol.19] 「あさになったのでまどをあけますよ」

          [本のおはなしvol.18] 「よあけ」

          あっという間に6月も半ばに差し掛かりました。 一年の半分。時の過ぎるスピードは年々増すような。 そんな時の過ぎゆく慌ただしさとは相反する、ゆっくりと静かな時間を描いているのが今回紹介する『よあけ』です。 この本に出会ったのは、大学生の時。 クレヨンハウスによく行っていた時期があり、その時にこの静かな表紙に惹かれて手に取ったのがはじまりです。 おともなく、 という言葉から始まって、おじいさんとその孫が木の下に眠り、まだ暗いうちに起き、火を焚いて朝ごはんの支度をし、湖に漕

          [本のおはなしvol.18] 「よあけ」

          [本のおはなしvol.17] 「のりもの絵本②」

          今回は松尾由佳選書の「のりもの絵本②」 2歳になる息子に大ヒット中の『あかくんシリーズ』のお話です。 『あかくんシリーズ』の1作目は 『あかくんまちをはしる』 ミニクーパーの「あかくん」が仲良しの「あおくん」と街をドライブ。街で働く車がたくさん登場します。 そして2作目は『あかくんでんしゃとはしる』 あかくん、今度は江ノ電と一緒に走ります。電車と追いかけっこ、でもきちんと交通ルールは守ります。 本屋さんで買えるのはこの2つ。以下は月刊「ちいさなかがくのとも」版のみ。

          [本のおはなしvol.17] 「のりもの絵本②」

          [本のおはなしvol.16] 「おやすみなさいおつきさま」

          本のおはなしも16回目。雨のお話が続いたので、今回はちょっと趣向を変えて、アメリカで生まれ、世界で長く読み継がれてきたマーガレット・ワイズ・ブラウン著、クレメント・ハード絵『おやすみなさいおつきさま』のお話を。選書は扇谷一穂です。 マインドフルな絵本?! 『おやすみなさいおつきさま』の舞台は、緑の壁紙が印象的な子供部屋。 この絵本が長く愛されてきたアメリカでは、幼少期に読み聞かせてもらった記憶とともに、この緑の部屋を懐かしい原風景と捉える人も多いと言います。 そこでどん

          [本のおはなしvol.16] 「おやすみなさいおつきさま」

          [本のおはなしvol.15] 「かさ」

          6月に入りましたね。 今日は先週の『カエルのおでかけ』に続いて雨にまつわる絵本をご紹介。 『かさ』 こちらは息子の通う保育園図書館で見つけた絵本。なんともモダンな表紙に惹かれて手に取りました。1975年初版のロングセラー絵本。 この[本のおはなし]でも時代を超えて愛されているロングセラー絵本を過去紹介してきていますが、これはなんと言っても「字のない絵本」。文章に見られる時代感(我々はゴツゴツした感じ、なんて表現していましたが)は見られず、時代を感じる要素は絵の中の男の子の服

          [本のおはなしvol.15] 「かさ」

          [本のおはなしvol.14 ] 「カエルのおでかけ」

          例年よりも季節が2週間ほど前倒しになっているように感じる、今日この頃。 6月の梅雨時期に紹介しようと思っていた『カエルのおでかけ』ですが、この気候に合わせて、ちょっと前倒しにご紹介。 「本のおはなしvol.14」5月27日の当日も、しとしと雨模様。 カエルにとっての「よいお天気」にはじまりました。 この本も、都内の保育園で月に一度、ゲストティーチャーとして子ども達と一緒に過ごしている時間「心音(こころね)の時間」の中で、読み聞かせさせてもらっている本です。 6月はいつも「

          [本のおはなしvol.14 ] 「カエルのおでかけ」

          [本のおはなしvol.13 ] 「でんしゃはうたう」

          私にとって5月は毎年繁忙期。忙しない日々を過ごしていますが、木曜日の30分の時間が気持ちをリセットしてくれています。 さて、13回目の本のおはなしは『でんしゃがうたう』。 のりもの大好き!電車大好き!な息子に絵本を探しているところで見つけたこの絵本、「うたう」ってどういうこと?と思いながら表紙を開いてびっくり! こんなに読むのが難しい絵本は初めて!でした。 電車の音、どう表現しますか? 「ガタンゴトン」でしょうか? 他にも踏切「カンカン」、機関車「シュッシュ!ぽっぽ!」な

          [本のおはなしvol.13 ] 「でんしゃはうたう」

          [本のおはなしvol.12 ] 「つきよのキャベツくん」

          "本のおはなし”12回目!2月のスタートから早3ヶ月。 12回目の"本のおはなし”開催の5月13日は少し肌寒い霧雨。 最近はどうも季節が2週間くらい例年より早いような気がしています。 九州はもう梅雨入り?という情報も。 今回は私、扇谷一穂が選んだ長新太作『つきよのキャベツくん』 しっとりひやりとする外の梅雨の気配とは反対に、長新太作品への愛を熱く語る"本のおはなしvol.12”となりました。 キャベツくんシリーズは全部で5巻。そのどれもに奇想天外な長新太さんの世界が広が

          [本のおはなしvol.12 ] 「つきよのキャベツくん」