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[本のおはなしvol.19] 「あさになったのでまどをあけますよ」

おはなしでも毎度毎度言い訳してますが…繁忙期のドタバタですっかりnoteにまとめるのが遅くなってしまいました(反省)
そんな落ち着かない日々の中でのおはなしは…
目が覚めるような、気持ちの良い一冊『あさになったのでまどをあけますよ』

つい先日図書館で見つけた一冊、表紙に惹かれて「荒井良二さんだ〜」とページをめくると…混沌としていた頭の中にスコーン!と爽やかな風が吹き込みました。

こちらの絵本、初版は2011年12月。作者の荒井良二さんは山形出身、この絵本は東日本大震災とも関係しています。詳しくはこちらのインタビューを。

子どもの頃の学校行事や旅行だとか、少しの緊張とはちきれんばかりの希望に満ち満ちた朝。もしくは20代ごろかな、朝までだらだらと飲んだくれてしまった、それとも徹夜で仕事になってしまった、ヘトヘトのボロ雑巾みたいになった朝。
そんな朝は大抵はちゃめちゃに天気が良くて、空気も光もピッカピカで。
子どもの頃も大人になってからもそんな朝は魔法のようで、そしてその朝は一瞬で、あっという間に昼(日常)がやってくる。あぁそうか、日常は魔法から始まるのかもしれない。
そんなピッカピカの魔法のような日常の始まりを描いている、わたしがどんなにごきげんでも、どんなに落ち込んでいても、その窓から見える風景は、大都会でも田んぼの中でも人気のない南の島でも、たとえ形が変わろうともそこにいて、そこで生活は続いていて、窓には外があって、外には「きみ」がいて、きみの窓の景色を思う。

この絵本について調べていたら5年後に出版された『きょうはそらにまるいつき』という一冊を見つけました。

朝と夜、対になっているようなこの2冊。
家に向かう人々、街の明かり。見上げた夜空に満月を見つけたときの嬉しさ。そして未来を感じさせる赤ちゃん。
『あさになったので〜』では窓を開けて希望や喜びが溢れていくようなイメージでしたが、こちらは窓のこちら側、家の中にある日々の暮らし、静かで穏やかな喜びや幸せを感じます。夜の窓の外に見えるのは「ごほうびのような おつきさま」。赤ちゃんにも、女の子にも、おじいちゃんにも、みんなにそれぞれごほうびのような、やさしいあたたかさを。

とにかく絵が美しく、文字も少ないので、小さい子どもから大人まで楽しめる絵本です。ぜひ、2冊合わせて読んでください。

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さて、本日の子守唄。

ここからは、扇谷一穂がお届けします。
明けたての朝、静かに澄んだ景色に響く鳥の声。
窓を開けたら、こんなカッコウの声が聞こえてきたらうれしいですよね。
そんな情景を思い浮かべながら、の一曲です。

↑日本でも長く親しまれていますね。もともとはドイツ民謡だったものに日本語詞を付けた歌です。

かっこう

作曲:ドイツ民謡
作詞:小林純一

カッコー カッコー
静かに
呼んでるよ 霧(きり)の中
ほら ほら
母さん

カッコー カッコー
しずかに
鳴いてるよ 森の中
ほら ほら
朝だよ



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