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[本のおはなしvol.23] 「ねむたいねむたい」

猛暑日が続く頃の本のおはなし。
「こう暑いとただただ眠たい。涼しいところでぼんやりしてたーい!」と言うことで『ねむたいねむたい』『ねられんねられんかぼちゃのこ』の2冊をご紹介しました。

作者のやぎゅうげんいちろうさんは子どもの頃から大好きな作家さん!
福音館書店の月刊絵本「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」で読んだ『あしのうらのはなし』『ハハハのがくたい』『ゆうれいをみる方法』など、少ない色と太い線で描かれた絵と手書きの文字、内容もユーモアに溢れていて夢中になりました。体に関する話はとても大事なことなのに、子どもに伝えるのはなかなか難しい。ところがやぎゅうさんの絵本では自分事として楽しく学べる。改めて調べてみるとまだまだ知らない作品もたくさん!またこちらも紹介できたら。

今回の『ねむたいねむたい』は、息子がまだ0歳の頃、本屋さんの絵本コーナーで自ら手を伸ばした一冊。はっきりとした色と線に惹かれたのでしょう。

タイトルからわかるようにいわゆる「おやすみ」絵本。
王道の「おやすみ」絵本はだんだん動物やおもちゃが眠たくなってきて、最後に子どもも眠くなって…ですが、この絵本で眠くなるのは「野菜(それも夏野菜)」たち。「ねむたいねむたい」「ねーたーかーな」「ねーたーよー」のフレーズが繰り返されます。夜を表現しているけれど、背景は黒や紺色ではなく、紫よりの綺麗な水色なのも、太い線の絵を際立たせて、赤ちゃんにわかりやすいのかも。

もう一冊は『ねられんねられんかぼちゃのこ』
こちらは『ねむたいねむたい』より文字量も多く、お話も少し複雑。とにかくよく寝る赤ちゃんで、寝かしつけに苦労することのなかった我が息子、2歳を過ぎたあたりから「ねられんねられん」こどもに…まだ遊びたいーおちゃのみたーいと(かぼちゃの子ほどしっかりしたものではありませんが)理由をつけてはねません。「ねむたいねむたいかぼちゃのこ」はどこに行ってしまったのやら。子どもを寝かしつける時の「おやすみ」絵本のはずが、2冊の「かぼちゃのこ」の違いは息子の成長を見ているようです。

9月。暑さも落ち着き、日も短くなってきました。
秋の夜長は絵本と共に。

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さて、今週の子守唄は夏休みの小学生と共にお届けしました。
おやすみテーマの子守唄ということは、子守唄の中の子守唄!
そんなイメージを元に選んだのはこちら。

この「ゆりかごのうた」の中でも歌われる「ねんねこ」は、「ねんねん ころりよ おころりよ」や「ねんねこしゃっしゃりませ」などいろいろなバリエーションで日本の子守唄に登場します。

子供を背負った上から、寒さを防ぐ目的や安全のために着る子守半纏(こもりばんてんという意味の「ねんねこ」もあれば、「おねんね」という眠りを表す幼児語という意味もあリます。
いずれも日本の子どもの眠りのシーンに欠かせない言葉であることは確かです。

この「ねんねこねんねこねんねこよ」フレーズを聴いていると、やっぱりどうしても眠くなってきてしまいますよね。

「揺籃(ゆりかご)のうた」

北原白秋作詞
草川信作曲

揺籃(ゆりかご)のうたを
カナリヤが歌うよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ

揺籃のうえに
枇杷(びわ)の実が揺(ゆ)れるよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ

揺籃のつなを
木ねずみが揺するよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ

揺籃のゆめに
黄色い月がかかるよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ




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