[本のおはなしvol.17] 「のりもの絵本②」
今回は松尾由佳選書の「のりもの絵本②」
2歳になる息子に大ヒット中の『あかくんシリーズ』のお話です。
『あかくんシリーズ』の1作目は 『あかくんまちをはしる』
ミニクーパーの「あかくん」が仲良しの「あおくん」と街をドライブ。街で働く車がたくさん登場します。
そして2作目は『あかくんでんしゃとはしる』
あかくん、今度は江ノ電と一緒に走ります。電車と追いかけっこ、でもきちんと交通ルールは守ります。
本屋さんで買えるのはこの2つ。以下は月刊「ちいさなかがくのとも」版のみ。
3作目は『あかくんやまをはしる』
箱根のやまを走るあかくん!ロープウェイやケーブルカーなど山ならではの乗り物、景色と出会います。
4作目は『あかくんこうそくをはしる』
高速道路ではいつもと違う風景もたくさん。入口のゲートをぬけたらスピードを上げて本線と合流!パーキングエリアであおくんと待ち合わせ。これは東名高速道路がモデル。
(タイトル画像の絵本は園で申し込む定期購読絵本だけの特装版です。)
最新作の5作目は『あかくんうみをわたる』
瀬戸内に出かけたあかくん!しまなみ海道を走ります。船もたくさん、島についたら魚市場にヨットハーバー、海ならではの風景が見られます。
タイトルだけ見ると「あかくん」というキャラクターの絵本かな?と思いきや、描かれているのはリアルなミニクーパー。無骨なリアルさではなく、おしゃれな(私のイメージは「雑貨といえばフランス!だった90年代頃のおしゃれな雑誌の挿絵」っぽい…雑誌オリーブの挿絵のイメージ…どうでしょう?)タッチで描かれています。作者のあんどうとしひこさんは車画家・イラストレーターで、広告やファッションのイラストも手掛けられていたそうです。
「主人公の子どもが出かける」でも「車の紹介・図鑑的なもの」でもなく「あかくん」がいろんな場所を走るだけのシンプルなおはなしですが、一緒に走っているようなリアリティがあります。そして主人公が「車」だからか、読み手との距離感がなんとも不思議。この絵本を読んでから車のハンドルを握ると、車の気持ちがわかるような気もしてきます(笑)
『あかくんシリーズ』について調べていたら…スピンオフ作品も!
こちらはガソリンスタンドを舞台に給油の機械兄弟が活躍するお話。なんと!途中であかくんとあおくんもやってきます!
あかくんシリーズに必ず出てくるカフェバスくんが主役!これを読んでからまたあかくんシリーズを読むと「ここにもカフェバスくんがいる!」と楽しめます。
シリーズ全7冊、どの絵本でも私の大好物なサイドストーリーが展開されています。乗り物や人、鳥やネコなどの動物をよくよく見ていると…ぜひ探してみてください。
あかくんシリーズにハマってからというもの、息子は赤、もしくは青い小さめの車を見つけたら「あかくん!」「あおくん!」と大騒ぎ。
働く車以外には反応がなかったのに、保育園からの帰り道も「ばしゅ!(バス)」「びーびーしゃ!(郵便車)」「ががががが(工事車両全般)」そして「あかくん!」と忙しそうです。
今週の子守唄は、「あかくん」に因んで車の出てくる歌を。
「本のおはなしvol.7」のりもの絵本特集の時は電車に因んで電車の旅「Sentimental Journey」を選びましたが、今回は車の旅。
アメリカで車の旅と言えば、この道!「Route 66」を。
Route 66
song/ lyrics Bobby Troup
If you ever plan to motor west
Travel my way take the highway, that's the best
Get your kicks on Route 66
もし車で西へ行きたいと思うなら
この道を行くのが一番さ
ルート66を突っ走れ
it winds from Chicago to L. A.
More than 2000 miles all the way
Get your kicks on Route 66
シカゴからL.Aまでは曲がりくねってる
全長2000マイルもの道
ルート66を突っ走れ
Now you go through St. Louis, Joplin Missouri
And Oklahoma City looks mighty pretty
You'll see Amarillo, Gallup, New Mexico
Flagstaff, Arizona, don't forget Winona
Kingman, Barstow, San Bernadino
さあ、セントルイスをぬけて
ミーズリのジョプリン、
素敵なオクラホマシティを通ったら
ニューメキシコのアマリロ、ギャロップが見えてくる
アリゾナ州のフラグスタッフ、ウイノナも忘れちゃいけない
キングマン、ボストウ、セントバナディーノも
Won't you get hip to this timely tip
When you make that California trip
Get your kicks on Route 66
最新の情報に通じてカリフォルニアを旅したいよね
ルート66を突っ走れ
Get your kicks on Route 66
Get your kicks on Route 66
Get your kicks on Route 66
↑Route 66 の歴史がわかるように編集されています。
当時の車もいろいろ。
↑Nat King Cole の弾くピアノも素敵です。
それにしても、このマイクの位置!
完全に手元を見ていない感じに驚きます。
↑作者のBobby Troupの映像。
作者の意図を窺えるような演奏です。
大陸を横断する「Route 66」は1926年~1985年まで使われ、アメリカ西部の発展を促進した重要な国道でした。
映画や小説、音楽などの中に多く登場し、今なおアメリカのポップ・カルチャーの題材にされています。
歌詞にも、たくさんの街の名前が出てきて、どんな街なんだろう。と想像が膨らみますね。
次回はユリー・シュルヴィッツ『よあけ』おたのしみに。
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