呼吸
読書を長く続けるモチベーション、を時々訊ねられることがある。
人によっては、「この人、よく飽きずに本読んでるな……」と疑問に感じるのだろう。
訊ねてくださる方に共通しているのは、読んで得た知識なり感動なりを“どうするか”への関心である。本を読むのは楽しいし、勉強にもなる。でもその先”どうするか“を考えると、ピンとこない。もっと有意義な時間の使い方があるのではないかと思ってしまう。
”どうするか“への対処法は、読んで得た知識なり感動なりを気軽に発信できる場所を作る、これに尽きると思う。SNSでもブログでも動画投稿でもいい。とにかく本を読んだら、その感想なり疑問なりを、自分の言葉で発信する。この作業を習慣化できれば、”どうするか“へのモヤモヤが薄まっていく可能性は高い(少なくとも私はそうだった)。
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上記の意見に関して、もっと分かりやすく説明できないかなーと感じていた矢先、ある画家の著作の一節に目が留まる。
呼吸……何と的確な表現だろう。今度誰かに話すときは、この言葉を拝借したい。
どれほど新鮮な空気であっても、吸い込み続けるのには限度がある。適度に吐き出さなければならない。それと同じで読書も、ある程度の量をこなしたら、そこで得たものを外に出す機会を設ける。そうすることで、入れる⇨出す⇨入れる⇨出す⇨……の好循環が生まれ、読書を積極的に続けていくことが可能になる。
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読書は続ければ続けるほど、何が「分かっていない」のかがクリアになってきて、さらに学ぶべき・学びたいことが増えていく。
梯子の例を用いれば、常に登り降りを繰り返している感じだ。梯子の数も一種類ではなく、無数に我々の前に待ち構えている。
この梯子の登り降りに夢中になると、時間はあっという間に溶けていく。読書に飽きるとか飽きないとか、そんなことを考える余裕はない。
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