#1 そして楽しくない日常へ(辻村深月・傲慢と善良)
結婚を間近に控えた男。「婚約者がストーカーに追われている」「前の彼女が忘れられない」ということを除けば、それなりに幸せなはずだった。そんな男の前から、婚約者が、姿を消した。男は婚約者を探す。すると、男の知らなかった婚約者の「素顔」が見えてくる。
あらすじだけ聞くと恋愛ミステリ小説に思えるかもしれない。ただ、この本を単なる恋愛ミステリ小説とするには、あまりに勿体なすぎる。この感想文では、物語の肝要な部分だけ(ネタバレを避けつつ)振り返って、その上でいかにこの本が素晴らしいか、