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溶け合った氷と椿が落ちた。

最近、私は最愛なる祖父を亡くし悲しみに明け暮れている。
私は、唯一の味方を一人亡くしてしまったのだ。
祖父が死んだ時に、私はお久しぶりに帰省した。
いつも帰ると迎え出てくれた祖父の姿はなく、冷たくなった「最愛なるエロクソジジイ兼最愛なるおじいちゃんがいた。」
誰も迎えでない実家は、カビ臭かった。
裏庭に行くと白い椿が綺麗に咲いていた。
または、白い椿が落ちていた。
私は、その椿をお燗瓶に生けた。

酷い言い方かもしれないが、私は大酒飲みで壊れたラジオだったおじいちゃんに対して酷い扱いをした時もあるし、酷い扱いや言い方もされた事もある。沢山衝突し合ったし、いつも心配してくれて、「大好きだからな」「味方だからな」って言ってくれた声が脳内に焼き付いている。
私が流産をした時も事情を説明してわかってくれて3万円を振り込んでくれた。
悲しみに浸る今走馬灯が私に駆け巡る。
私は、立ち直るためにここに書き綴りたいと思った。この何処にもやり場のない悲しみ、辛み、寂しさが、私の心を凍らせる。
神様の愛以外で、生身の人間の唯一の愛だと思っていた。なぜならば、母よりも深く愛を感じていた。
「自分の事を差し置いて私を助けてくれたおじいちゃんがいない。」  心と向き合うと叫び
家族団欒で過ごした日々は、当たり前ではなかったって今気がついた。ラジオは、壊れてしまった。壊れたラジオは、壊れて元に戻らない。
そんなやり場のない悲しみを、今の「恋人」は、泣くほどに「共感」なんてせず本も読まず、お金の事はケチケチ言ってくるし、私の信仰をリスペクトしてくれてなくて、思いやりを感じられない。
最近出来た恋人について早くも不満を抱いている。「真摯に受け止める」よりも「他人事」のように感じている。
私と言う人間は、成長中で不完全体極まりない存在なのだから、受け止めて愛して欲しい気持ちが漠然としてある。
あの蜂の子は、私を私らしくいても良いと言ってくれた。私を深く知れた事に喜びを感じてくれたし、彼なりに向き合ってくれていたとメッセージを見返して思った。
神様に自分の痛みや、苦しみ、辛みを明け渡せばいいのだとは、思うけど…。
私は、生身の人間なしで一人で生きてなんていけないと思った。
抱きしめて欲しい。私を理解しようとしてくれた蜂のような子を思い出して、私は泣くだなんて思った。
今の恋人の特に笑顔は、蜂の子のような子にそっくりなのである。
でも、中身は全く違うと思う。

彼は、本を読まない。
詩は、書かない。
美術もそこまで好きじゃない。
クラシックが好きじゃない。
タバコを吸う。
心が狭い。
結婚したいなら、俺のためにクリスチャンを辞めて欲しい。

私の凍った氷は、凍ったままで分ち得ない感性と解釈できない感情と心と、詩がバラバラに水に浮いているよう。
抱きしめて欲しい。
私の抱きしめて欲しいと言う気持ちは、「お金も私の辛さも気にしなくていい、君の全て受け止める。」と言う事である。
彼を信用できないと思う気持ちが私の首を締め出す。私は、恋愛に生きているわけではないのに、愛を求めて生きていると思った。
私は、血を流している。血でさえも愛おしく思われたい。私は、血を舐める事さえ惜しまない。
狂気で歪んだ真珠、歪み真珠という本を思い出す。私の中の図書館と彼の図書館は、違いすぎてこの本なんだっけ?あれでしょ?と言う会話にならない。私は、エロティシズムを単なるエロにしないでくれと思うし、螺旋階段のエロさについて語り合う事もない。愛の讃歌 "If you love me really love me" を思い出して涙が出てしまった。
愛していても、価値観の違いにより一緒に居られない辛さがまた甦る。
クリスチャンである事が辛くなる。
自分の性癖は、呪いだから辛くなる。
世の中の「普通」では、ない私と言う存在。
あの監督の新作について語り合えない寂しさ
彼の映画をちゃんと観ておくべきだった。
それに、一緒に行ったお気に入りの古本屋さんに売り出されていた見覚えのある「あの本」は、名前を叫び愛し合った君のだったのかな。
無限なる存在さえも語り合えた君は、私にとって今も特別な存在なんだと認識している。
どうしても、今の恋人と比較してしまう自分がいる。凄く苦しくて悲しくて寂しくて愛着障害を引き起こしている。
あの通りを通れば、君がいる。
でも、私は何度も避けて通った。
恋人と避けて通った。
私の図書館の中には、君の好きな本を並べて楽しもう。
君の前では、私らしくいれた気がした。
君としたセックスは、私の呪いを一瞬でも解いた。君の愛していると言う意味は、違かったとしても、短い時間だったとしても、私の人生の中では貴重な時間だったのかもしれないと思った。
思い出は、美化されるものだと思うが、苦しくて辛くて暗い瞳を勇気付けたかった。
お互いを深く深く理解しようとしていたと思う。
そうあの感じが今の恋人には、ない。
傷だらけの心が悲しみ続けてしまう。
深く深く悲しみが続いている。

月が綺麗だと言う会話もない恋人と早くもやっていける自信のない私が、涙を流して思い出してしまう。

浮かれていた自分がそこにいた。
また新たな傷を負おうことが、怖くて恋愛するのが怖い。
今、私は泣き崩れながら綴り続けている。

自分が自分らしくあるために、また手放さなければならないのかな。

水の中で、自由に泳ぎたい。
そんな気がする。
芸術を語り合える恋人が欲しい。

美術館の中で、泳ぎ回る自分が好きだ。

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