【書評】これからの生き方。/北野唯我(絵:百田ちなこ)
コロナを機に「今後の働き方」を立ち止まって考えはじめた人におすすめしたい漫画付き書籍です。
自分の大事にしたい価値観(キャリアタイプ)を明確にできる一冊でもあり、一緒に働く人たちの考えを理解し合うための教材としても使える良本だと感じました…!
他にあまり例のないスタイルの本で、
・ストーリーを描いた漫画
・自己分析の体系的なまとめ
・登場人物の架空インタビュー
の3部構成となっています。
漫画編で描かれた人物たちを題材に自己分析ワークの内容が解説されていて非常にわかりやすいだけでなく、巻末の特別インタビュー(架空)を読むことで、自分とは違うタイプの人たちの考えをより深く理解することも可能。
自分の生き方・働き方を考えるだけでなく、チーム内の相互理解にも有効に使える一冊です。
\こんな人におすすめ/
✔︎ 活字は苦手なので漫画として読みたい
✔︎ 自分のキャリアの方向性を見定めたい
✔︎ チームや組織内の相互理解を深めたい
印象に残った文章紹介します(これからの生き方。)
「お金が大事であることは理解しながらも、それでももっと大切な何かを見つけたいと思っている同世代に向けた本です」
「すばらしい仕事をする唯一の方法は、自分のやっていることを好きになることだ。まだそれを見つけていないのなら、探し続けなければいけない。(スティーブ・ジョブズ)」
「君の立場になれば君が正しいし、僕の立場になれば僕が正しい。(ボブ・ディラン)」
「そもそも、自分のしたいことが見つからないのは、ほとんどの場合に置いて、まだ十分に多種多様な人間と出会っていない(=判断材料がない)だけだからです」
「本質的には、働く理由は複数の価値観で構成されており、要素に分かれているものです」
「当然ですが、100%完璧な仕事は、この世にはほとんどありません。なぜなら、自分の前提となる『価値観』は、年齢やライフステージに応じて少しずつ変化していくものだからです」
「主観的に体験したことを、客観的に分析する、この繰り返しです。この繰り返しこそが、感性を磨くものだ。」
「私たちに問われているのは『これからの生き方』で、生き方は問われ続ける」
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【人間の好き嫌いは二階建て】
上:「思想的」な好き嫌い
☞ お金で解決できない職業観や生き方の問題
☞ 絶対の正解はなくて本質的には他人と違う
下:「身体的」な好き嫌い
☞ お金で解決できる衣食住などに関する問題
☞ キャリアを積み上げると重要度は低下する
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【人間の3つの能力】
① 智(知恵):頭の良さだけでなく知識や経験、スキルな技術など。
② 情(情愛):一緒に働く人のことを想えるか、利他的になれるか。
③ 意(意志):どれだけ強い気持ち、向上心を持ち続けられるのか。
【タイプ別の4キャリアパターン】
⒈ スキル型 :知恵を強みにキャリアを積み重ねるタイプ
⒉ 意志型 :意志を強みにキャリアを積み重ねるタイプ
⒊ チーム型 :情愛を強みにキャリアを積み重ねるタイプ
⒋ バランス型:バランスを重視してキャリアを積み重ねるタイプ
☞ どれかひとつだけがずっと当てはまるわけではない
☞ パターンは「自分の強み」と「人生のフェーズ」によって決まる
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【スキル型の最終到達点】
⚪︎業界の誰もが知るナンバーワン職人
例) エンジニア, デザイナー, 設計士など
⚪︎実力者の右腕
例) 経営者の顧問弁護士, プロスポーツ選手の専属トレーナー, 企業の戦略アドバイザーなど
⚪︎活動家や篤志家
例) 貧困に取り組む国際貢献従事者, 人道支援を行う医療従事者, 地域再生に取り組む専門家など
☞ スキル型の人は人生で必ず[差別化要因の壁]にぶつかる
☞ スキル型の弱点は、それほど圧倒的な「意志」がないこと
☞ だからこそ30〜40代までに【応援したいテーマ(人)を見つけること】を意識しておくと良い
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これからの生き方。【書籍情報】
書名:これからの生き方。
著者:北野唯我(絵:百田ちなこ)
発売:2020年8月6日
頁数:354ページ
おすすめ度:★★★☆☆
【目次】
はじめに
人物相関図
第1章 漫画編(物語編)
第2章 ワーク編(自己分析編)
第3章 独白編(生き方編)
おわりに
巻末付録① 特別インタビュー 〜7つの生き方〜
巻末付録② 14の労働価値分析シート
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