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【書評】ドラッカーと論語/安冨歩

論語の思想って現代に役に立たなくない?

なんて思っている人もいるかもしれません。

が、そんな人にこそ読んでみて欲しいのが本書です。

ドラッカーの『マネジメント』と孔子の『論語』の思想を噛み砕きながら共通点を抜き出して解説されていて、現代のビジネスマンにも非常に参考になる教えが書かれています。

マネージャーの役職に就いている人やマーケティングの担当をしている人は必読の一冊かなと!

\こんな人におすすめ/
✔︎ ドラッカーの思想を深く理解したい
✔︎ マーケティング理論を深く極めたい
✔︎ マネジメントの本質を学び取りたい


印象に残った文章紹介します(ドラッカーと論語)

「どうすれば顔の見えない君主に人民は従うのか。そもそも、君主とはいったい何なのか———。そんな問いかけのもとで、『組織』の適切な運営方法が求められ、多種多様な思想が生まれていった。そのなかで孔子は、それを『政』と呼んだ。その思想をまとめたものが『論語』なのである。」

「なかでもドラッカーが意図したことと最もかけ離れてしまっているのが、『マーケティング』という概念であろう」

「マーケティングとは己を知ること」

「ドラッカーの『マーケティング』が孔子の言うところの『知』だという、、もう一つの大きな論拠がある。それは両者がともに、コミュニケーションというものを思考の基盤としているという点だ。」

「『お客様目線』といった考え方は、自らの身体の及ぶところではない他人の感覚に自分を迎合させることになる。それは自分の感覚に他人を譲り渡し、『己』を見失うことである。」

「他人にどんなことをして欲しいのかとたずねているようでは、決して『己を知る』ことはできないのである。」


【ドラッカーのマネジメント論】

① 自分の行為のすべてを注意深く観察せよ
② 人の伝えようとしていることを聞け
③ 自分のあり方を改めよ


ドラッカーと論語【書籍情報】

書名:ドラッカーと論語
著者:安冨歩
発売:2014年6月20日
頁数:252ページ
おすすめ度:★★★★☆

【目次】
はじめに — ドラッカーと孔子の対話
序章 もしドラッカーが『もしドラ』を読んだら
 第Ⅰ部 ドラッカー思想の本質
第1章 マネジメント〈徳治〉
第2章 マーケティング〈知己〉
第3章 イノベーション〈学習〉
 第Ⅱ部 ドラッカー思想の歴史的意義
第4章 全体主義〈組織の罠〉
 第Ⅲ部 ドラッカー思想の現代的意義
第5章 情報〈コンピューターの衝撃〉
第6章 ポスト資本主義〈組織解体の時代の組織〉
終章 未来への道


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