家庭でできる読書教育


本を読む子供を育てたい。

その一心で,家庭でできる読書教育についてまとめたいと思います。


1 はじめに 


教科指導にも学級経営にも道徳にもできる限りの時間をかけて研究と実践を繰り返してきました。

これまで力を入れて研究をしてきたことは私の専門性を大きく飛躍させたと信じています。

しかし,その強い信念に基づいた結果身についた授業力や,生徒指導力よりも大きな力を発揮するものが読書だと確信しています。

本を読むようになった子どもの好奇心の広がり方,良い学びてとして育っていく姿を見て,たった一回の心に深く刻まれる授業よりも,一生学びつでける,楽しみ続けることのできる子どもを育てることの大切さを身に染みました。

私は,本に親しむ子どもたちを育てるために手を尽くしたい。そう思って実践を重ねてきた結果,読書量を増やすことに成功するとともに,学力にも相関関係が見えてくることを体感しました。

今回は,学校における指導方法ではなく,家庭でできる読書教育についてまとめたいと思います。

なぜなら,本を読む子を育てるには,家庭との協力が不可欠であり,その大部分が家庭で占めていること,そして,影響力が大きいのは実は学校ではなく家庭だからです。


2 家庭でできる読書教育


さて,さっそく家庭でできる読書教育について述べていきたいのですが,まず保護者の方は本が好きでしょうか。

愛読書,出会ってよかった本,大好きな作家・・・・・・

子どもに本を読んでほしい,読むことは力が付くし,楽しくて幸せなことだ,と身をもって感じているでしょうか。

本好きな子どもの多くに共通するのが,本を読む家庭環境にあることです。

それは,親や教師から強制されて本を与えられる状況を示すのではなく,家で本を読む時間がある,親が本を読んでいる姿を目にしている,身近な大人から本を紹介されるなど,人から働きかけられたものです。

隙間時間を見つけてはテレビを見ている,移動時間には必ずスマートフォンを見ている,家に本棚もなく本もない。

これでは子どもは本を読みたい,本を読むことは価値のあることだと認識することはありません。

楽しいのはテレビであり,スマートフォン。

もちろん,それらが悪というわけではありません。

メリットもあります。

しかし,情報の質や,能動性でみるならば読書に勝ることはありません

家庭における読書への姿勢が,子どもが本に向き合う姿勢に直結します。

幼少期のその体験は,子どもの根に深く浸透します。

まず,親が本に親しむ姿を見せてほしいと思います。

子どもの発達段階にもよりますが,家庭で読書時間を設けるのも良いですね。

そして,自分が読んだ本や子どもが読んだ本について話をしたり,感想を言い合ってください。

本のジャンルはとりわけこだわらないようにしてください。

子どもは,大人が読んでほしいものにはなかなか手を出しません。

時には,ライトノベルの表紙が卑猥なものにまで手を出すこともあるかもしれません。

しかし,絶対に子どもが自分でした選書に文句を言ってはなりません。

本を読むことは恥ずかしいことだと感じるだけではなく,自分の感性や感受性,自己肯定感などに大きな影響を与えることもあります。

大人の発した何気ない一言で,子どもは大きな傷を負うことがあります。

長い間,あるいは一生拭い去ることのない傷となって,一生を過ごすこともあり得ます。

子どもに,本を読む体力がついていると前向きにとらえて,子どもの読書を温かく見守る度量も必要です。

出来ることはたくさんありますが,特にお勧めしたいのは,図書館に行くことです。

できるだけ小さいことから一緒に足を運んでください。

本を選ばせ,紙芝居を一緒に選び,夜寝る前に読み聞かせてあげてください。

子どもは本が好きになります。

文字を認識していなくても,食い入るように絵を見ます。

集中力もつきます。

大人が気付かないようなところにも気付きます。

愛情いっぱいに,読み聞かせをしてあげてください。


3 おわりに


私が意識的に本を読むようになったのは,大学生の3年生くらいの頃です。

小学生の頃は,本が好きでしたが,本を読むことは恥ずかしいことだと思う感覚がありました。

朝の読書時間は大好きでしたが,お昼休みは外で遊ぶのが良いことだと考えていましたし,先生も「教室にいないで外に行きなさい」と言っていたと記憶しています。

雨の日は室内にいざるを得ないので,本を読みましたが,しだいに本を進んで読まなくなりました。

中学校と高校では,部活と勉強で忙しくなり,年に数冊読んでいたとも言い切れない状況が続きました。

こうして読書と切り離されていきましたが,大学生になってから少しづつ,知識欲が芽生えて,本を読むようになりました。

それは,資格取得のためでもありましたが,教養のためにも本を読みたいと思うようになりました。

文学作品を手に取ると,本を読む困難さを感じました。

それでも教養や感性を身に付けたいと思い,少しづつ習慣化を目的に読んでいるうちに読書をする体力がついてきました。

私が本に親しみ,多くのことを吸収することが出来るようになったのは,おそれく幼少期に母親が一緒に図書館に連れて行ってくれ,歯磨きの跡に読み聞かせをしてくれたことが大きく影響していたと思います。

読書は人を幸せにします。

ぜひ,子どもに本と出合わせてあげてください。

家庭でできること,まだまだ伝えたいことはありますが,また整理できたらまとめたいと思います。

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