【第2話】サウナリーマン日記「テルマリウムの衝撃~オアシスサウナ アスティル~」
もう何年も前に一度だけ来たことがある。
連日で仕事のミスを繰り返し、上司にもそれを指摘され、心が折れかかった。
いつもならそれくらいのことは
どうってことない。
ただあの日だけは変な心のアラート
が止まらない。
これはやばい。
疲れている。
消耗している。
私は仕事柄、この心の声を無視してしまい、
取り返しのつかない
状態になっていくビジネスパーソンを
数え切れないくらい見てきた。
ヘルスケアの仕事に従事している以上、
セルフコントロールができなければならない。
決断した。
みなさんもネガティブな身体の反応が出たら、
きちんと自分自身をケアしてほしい。
そのタイミングを身失わないように
周囲にも助けを求めてほしい。
そしてあの日は午後半休の申請を慌てて行い、
逃げるようにオフィスを出た。
必死にその場しのぎの「シェルター」
を探した。
「オアシスサウナ アスティル」
60分のスピードコースを選び、
日常を遮断したあの日の
記憶は鮮烈に覚えている。
あの日から、私はサウナー
になったのかもしれない。
そしてあの日と同じ時間に、
JR新橋駅の烏森口に立っていた。
ただ今日は休日であった。
人混みが苦手な私は、
ごりごりのビジネス街にあるサウナは
休日が狙い目だという仮説のもと降り立った。
尊敬するサウナーのヒャダイン様の
情報によると、
17時以降はハッピーアワーで
混むという情報があった。
ならば昼間にしっかり
堪能しようというマイプランだ。
さらにサウナ・スパ健康アドバイザーであれば、料金が20%OFFになるという情報も、
私の行きの足取りをいっそう軽くした。
フロントにてアドバイザーの
資格証をドヤ顔で提示しよう
としたところ、あるプランを勧められる。
「レギュラーコース食事パック」
素晴らしいタイミングだ。
またつぶやいてしまった。
フロントのお兄さんに聞こえて
しまってなかろうか。
通常料金そのままで、1000円分の食事つき。
ランチをすませてこなくてほんとによかった。
意気揚々とロッカーで着替えをすませ、
サウナに向かう。
まずはドライサウナから、
15分ごとのオートロウリュが
我々男たちを熱くさせてくれる。
やはりさすがとしか言いようがない。
ビジネスサウナーの集まるアスティルである。
しかし私の最大の楽しみはここではなかった。
ここでしか味わえないスチームサウナである。
ここの最大の魅力は、
ドライサウナにはない、圧倒的な蒸気。
対角線上に誰かが座っているのかすら
わからない。
それほどの低温の蒸気が身体
を優しく包み込んでくれる。
それはドライサウナで味わう
強烈な問いかけの熱波ではない。
幻想的な世界がそこにはあった。
古代ローマの入浴スタイルを
再現したテルマリウムだ。
なぜわざわざいろんな施設に
足を運ぶのだろうか。
近所にも素晴らしい銭湯サウナがあるのに。
近所のサウナが日常だとしたら、
こんなアスティルの
スチームサウナは非日常だ。
蒸気に囲まれた自分は
何も見えない。
テルマリウムが放つ圧倒的な蒸気が
日々の世俗的な価値観に
染まった自分の頭の中をリセットしていく。
そう。
この感覚がほしかったのだ。
上司に叱責された。
仕事で大きなミスをした。
同期が先に出世した。
さまざまな思い通りにいかない
出来事にさらされ、
気づかないうちに我々は疲弊している。
そんなとき、強制的にリセット
できる場所を作っておこう。
決してサウナじゃなくてもいい。
なじみの喫茶店や公園でもいい。
周りから認められている「あなた自身」の鎧を
一瞬でも逃げる場所をひとつでもいいから
持っておこう。
私はそんな場所をサウナで作っていけたら、
幸せな人生になると信じている。
本日のサウナポイント
極上のスチームサウナで非日常に包まれろ
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そして今日も私はサウナへ行きます。
※写真の一部は公式ホームページより
引用させていただいております。
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