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傍観者は敵だ~ジブンゴトとタニンゴト~

何の文脈で、言われたのかは覚えていない。
確か高校生だった20年以上前のことだ。

野球の練習試合でヘマをしたのか、
どうだったのか
忘れたが当時の指導者に
投げかけられた言葉だ。

「傍観者は敵だ」

当時は「ボウカンシャってなんや」
というそれ以前の
言葉の意味が分かっていなかった。

まぁいま思い出して解釈してみると、
「当事者意識」を持てよということ
だったんだと思う。

野球は個人競技の側面を強く持つ、
チームスポーツである。
自分の結果ばかりを求めていては、
勝つことはできないし
チームの輪も乱れてしまう。

自分が相手にされたら嫌なことはしない。

そんな言葉は誰でも教わるわけだが、
「嫌なことをされている人に手を
差し伸べることができるか」

というのをその指導者の言葉は
問いかけていたのではないか
と強く感じるのである。

ジブンゴトとタニンゴト

何事も当事者意識を持っていくこと。
それは非常に大事なことだが、
距離感を誤ると大変なことになる。

ジブンゴトとしてとらえ、
その解決にあたる。

それはいいことだ。
まわりからも感謝される。
だがその「距離感」を間違えてはいけない。

極端な例を挙げよう。

この世界中で起こっている貧富の差や
ウィルスとの戦いにジブンゴトとして
捉えて解決しようと、
あれこれ真剣に考えてしまって
は身が持たない。

東日本大震災が起こったころ、
そこにショックを
感じすぎて体調を崩してしまった
有名ロックバンドの
ボーカルの話を思い出した。

彼も当事者意識が強すぎたんだろう。

働く現場でも、自分のミッションに
精一杯コミット
している人がいる。
だが不可抗力な事情で、
窮地に立たされたときでさえ
それを受け入れてしまう人がいる。

そこは切り替えが必要だ。

タニンゴト、正確には自分視点から
少し俯瞰的に
状況を捉える力が必要だ。

ディソシエイトという言葉がある。

これは、自分の体験を
タニンゴトのように眺めることを
さす。

それに対して自身の体験を
身体全体で深く体験することを
アソシエイトと呼ぶ。

人はこの2つの反応を選択できると
考えられている。

とことんアソシエイトすると、
感じる力がどんどん強くなり
様々な感情を人一倍感じるようになるのだ。

それゆえにネガティブな感情も
しっかり背負い込んでしまい
疲弊してしまうこともある。

そこでとことんディソシエイトすると、
自分の出来事を客観的に
分析できるようになる一方で、
ネガティブな出来事でさえも
一般化してしまい、
人間関係などにも影響を及ぼすかもしれない。

あまりに無感情な印象を周囲に
与えてしまうかもしれない。

このふたつの反応をどちらか
極端に偏ってしまわないように、
バランス感覚を取ることが重要なのだが
これが難しい。

ジブンゴトとして
捉えてアソシエイトしていく自分。

タニンゴトとして
捉えてディソシエイトしていく自分。


どちらの反応になるのか。

この距離感を把握し、
意図的にコントロールしていくことが
メンタルをタフにいきる
ビジネスマンへの道を
切り開いてくれる気がしてならない。

健康経営コンサルタントとして、
メンタルに悩む働くひとが一人でも
少なくなってほしい。

そんな思いは忘れずに、
「読むメンタルサプリ」を
書いていきたい。

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