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「やることがない」社会になったなら〜凡人は適度に働こう〜

働かないで生きていきたい。
私のような怠惰な人間は
いつも思っている。 

いま読んでいただいている
社会人のみなさんはどうだろうか。

何かに打ち込んだり、
大谷翔平のように決定的に他人より
秀でた才能を持っている人で
ない限り、一度はそう思ったことが
あるのではないだろうか。

経済学者のケインズは、
ある論文で、
経済の発展によって
やがて人間はそれほどやるべき
仕事がなくなる
と指摘しているそうだ。

そしてその「やがて」は、
2030年ごろを指していると。
引用元はこちら。

堀江貴文氏が「遊んで暮らせる
時代がやってくる」という記事も
印象に残っている。

これからAIの台頭、進化によって、
単純な仕事がどんどん少なくなっていくのは
避けられそうにない。

では僕らは仕事をしなくていい
日がやってくるのか。
それは社会全体にとって幸福なこと
なのだろうか。

こんな声が聞こえてきそうだ。

仕事がなくなったら、
収入がなくなってしまうんだから
生きていけないだろう。

たしかにそのとおりだ。
ただし、ただしだ。

私たちの生活に必要な
食料をはじめとした日常の煩わしさが
全てAIやテクノロジーで代替されると
したら。

もう君は何もしなくていい。
働かなくていい。
自分の時間をとことん自由に
生きていい。

そう言われたら、あなたは
狂喜乱舞するだろうか。

私の答えは、
少なくとも喜ぶことはない。
その先が見える。

どんなに時間があってお金を
持っても、凡人には行き着く先がある。

それは退屈である。

狂おしいほど打ち込むもの。
大谷翔平選手にとってそれが
野球のように自分の近くに
「夢中になれるもの」がないと
退屈との戦いが待っている。

部活動にとことん打ち込んでいた
高校生が引退後に燃え尽きてなにも
できなくなるように。

大手企業を長年勤め上げたものの、
定年退職後に趣味もなく社会との
つながりを断たれ、仕事に打ち込んだ
代償に家族からも相手にされずに
心身を病んでしまうように。

特別な才能を持たない人間に
とって、退屈との戦いは
非常に重要なテーマ
だ。

適度な仕事は癒しである

もう70歳近くなる父の話である。
彼はいまでは知る人ぞ知る牛丼チェーンを
若くして退職し、独立した。

その後飲食店を30年以上経営し、
いまは閉店して開業時の供託金で
キャンピングカーを買った。

それを改造してそこでラーメンを作り
屋台で1人で営業している。

贅沢しなきゃ年金でも暮らしていけるのに、
また商売を始める父を母は反対した。
もうすでに彼は車屋との交渉を
終えた後のことではあったが。

私はとても反対する気になれなかった。
自営業で正月以外仕事しかして来なかった
父親がラーメンを作るのをやめることは
想像がつかなかった。 

それは彼が退屈と向き合うことを
恐れたからだと分析している。

ラーメンを作ることが少なからず、
自分の人生の退屈を紛らわすことで
あり、社会との唯一のつながりであり、
生きる上での癒やしなのではと思うからだ。

何もしない。
働かない。
いつまでもぼぉーっとしていること。

それが好きな人もいるかもしれない。
ただそれは少数派に分類されるだろう。

退屈は苦行であり、恐怖。
そこから余計に老けこんでしまうのでは
ないだろうか。

サラリーマンなら週に5日縛られて、
適度に打ち込み、適度に休む。
そんなライフスタイルがマッチする人も
いるのではないだろうか。

それが何も得意のない、特別な信仰もない、
才能もない人間にとって仕事は、
退屈を紛らわす癒やし
だと。

だから経済的な事情もあるけれど、
転職は何回してもいいから
常に仕事は持っていたいと思っている。
それは父の背中を見ていて
感じることである。

人は適度に「認識」してもらいたい

人はかなしいくらい認めてほしい
生き物だ。
SNSを見ていれば、それは明白である。

以前「らせん型階段キャリア」を
テーマに文章を書いたことがある。

ここにも退屈との戦いが
見え隠れする。
キャリアアップしたいから、
今までの経験を活かしていきたい。
表向きの理由はその通りなのだろう。

ただどこかその業界•会社でやりきった、
もしくはそれゆえの退屈から逃れられなく
なってしまったという事情もあるのでは
ないだろうか。

やることがない。
君は全くの自由だ。
そこから後の時間は、大半の人に
とって幸福と結びつくとは限らない。

適度に人と関わり、承認されながら
自分ができることをこなしていく。

キレイごとなすごいことをやっている人
はSNSで溢れているけれども、
社会を支えているのは我々凡人である。

自分のスタイルを模索しながら、
心身を守りながら、キャリアを
作っていこう。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。 みなさんが生き生き健康に働けるためのメッセージを発信していきます。 ぜひサポート、よろしくお願いします。