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【しくじり】200万円と3,000時間を資格で無駄にしちゃった先生

「これさえやっておけば安心だ」

「このサプリを飲んでおけば、1日の栄養素はバッチリです」

これだけをやっておけば、大丈夫

不安をたったひとつの選択肢、
つまり解決方法を提示されると
そこに何も考えずに飛びついてしまう。

みなさんにもそんな経験はないだろうか。

私が第一に想起されるのが
資格ビジネスである。

趣味ではなく、キャリアや
収入を得るためにこうした
資格取得へのコストをかけてきた。

通信やネットで気軽に
資格取得の勉強を始める時代になった。

その影響で資格を活かして、
活躍されている方もたくさんいらっしゃる。


しかしながら、資格の魅力を知り、
取得を決める前に前提のマインド・考え方を
作っておかないと、
時間とお金を無駄にしてしまう


今日の記事はもし、何かキャリアアップの目的
で資格取得を目指そうとしている人、
大きな費用をかけて自己投資を
しようとしている人のために書きたいと
思う。

私の2つの資格取得を志した
しくじりストーリーから得た教訓を
シェアしたい。

思いはただひとつ。

自分のようなしくじりをしてほしくない。

前回の営業職時代のエピソード
に続くシリーズである。

この記事を読むだけで、
将来の数十万円以上の支出と
損失を未然に防げる可能性があると
思う
ので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

今日は少し長いので、後半の「しくじりから
の教訓」だけでもチェック頂けたら嬉しい。

エピソード①~司法試験~

学習期間:約4年(20代前半)
コスト:約150万円(予備校、テキスト、受検費用など)

ここが一番に時間と
お金をかけた資格である。

21歳のときに中堅の
私立大学の法学部に入学した私は、
ロースクールへの進学をめざし、
法曹への道を志した。

他人より大学に遅れて入った以上、
まともな就職はできまい。

そう思い込んでいた当時の自分。

資格取得は自分の頑張りしだいで
結果が出せる。

しかも弁護士なら医者と並んで
取り上げられる職業だし、稼げそう。

今思えば安易だ。
「お前はアホか」
できることなら、
新橋の飲み屋に連れこんで、
当時の世間知らず過ぎる自分に
説教たれこみたい。

当時は大学の入学金を死ぬほどバイトして、
稼いだぐらいだったので
社会人になったら、貧乏を脱出し、
それなりの暮らしをしたいという
気持ちは人1倍強かった。


バイト・大学・予備校の
スケジュールが多忙を極めた。

大学の友人と遊んだ記憶はほとんどない。

幸い、予備校(伊藤塾)が
インターネット講義を開始していたところ
だったので、夜中に講義を
受けるという生活が続いた。

なんとか、ロースクールも
3年制だったものの合格通知ももらい、
最低限の道は開けた。

普通なら、大きな第一歩ということで
喜びを噛みしめるところだろう。

ところが、合格通知をもらった
その瞬間だった。

とてつもない恐怖が襲ってきた。

言葉をくだけていうと、
びびったのだ。

もっとくだけていうと、
チキったのだ。

それは「お金」と「時間」のコスト
を払うリスクへの恐怖


まず、お金だ。
ロースクールへの3年間の学費だけで、
300万円以上かかる。

それだけでは司法試験は
心もとないから予備校にも通うから
さらに100万円以上のお金がかかる。

実家暮らしとはいえ、それなりに
生活費も稼がなければならない。

大学生活はなんとか
学費500万を稼ぎきって卒業したものの、
同じようなバイトと学業のハードな
生活を続けられるのか。

体力的にも、メンタル的にも
厳しくなるのではないか。
急に冷静になって分析を始めた。

「もっと早く気づけよ」というツッコミは
ご容赦頂きたい。
だから「しくじり」なのだ。

次に時間である。

ロースクール3年間。
そのあと卒業し、司法試験を受ける。

確か当時は、5年間で3回しか
受検チャンスがなかった。
受かっても司法修習が待っている。
つまり、3回失敗したらすべて
学費がパーになるのだ。

今は予備試験といってダイレクト
にいけるルートもあるようだが、
当時はそんな感じだった。

そうすると、最短で法曹として
社会に出るのが30歳手前
になる。

これは恐ろしいと思った。
試験勉強をしていただけの20代。
いくら資格があるとはいえ、
社会で通用するのか。

しかも試験に合格できなかった場合、
そのすべてが無駄になってしまう。

また当時はこの司法制度改革
で「食えない弁護士」が激増するという
報道があった。

実際、このような報道が
当たっていたかどうかはさておき、
弁護士の平均年収は下がり続けているようだ。

結局わたしは、
この恐怖に打ち勝つことができず、
リーマンショックで例年より劣悪な環境の中、就職活動を始めることになる。

ただ、これはまた別の機会に書きたいが、
新卒のカードをここで
ちゃんと使ったことは大きな分岐点
になった。

エピソード②~司法書士試験~

学習期間:2年(30歳手前まで)
費用:約50万(予備校、受検費用など)

とてつもなく、厳しい就職活動を
乗り越えなんとか
従業員100名程度の商社に新卒として
拾ってもらった。

仕事にも慣れ、一人暮らしを始められる
ほど余裕が出てきた。
そんな私の中で悪い虫がうずいてきたのだ。

きっと司法試験を途中で諦めた
自分へのふがいなさ。
もう再チャレンジできる
チャンスがないという現実。

今思えば、
「ちゃんと気持ちを切り替えて今の仕事に打ち込めよ」と当時の自分に言ってやりたい。

ただあのときは、長年しっかり
勉強してきた法律をあっさり
諦めたことへの挫折感を
払拭したい思いが先行していた。


なにか一歩踏み出したい気持ちで
ネットを見ていたときだ。


「再受講割引制度で司法書士を
目指しませんか」

予備校のホームページで記載があった。

「これだぁぁーっ」
私は使い古したWindowsの
パソコンの前で叫んだ。


なんとなくモヤモヤした
社会人生活を送っていた
私の視界が一気に開けた気がした。


司法書士なら、受検資格がない。
(学校に行くなどの余計なコストかからない)しかも社会人からでも取得して独立している人がいる。


そんなキラキラした情報も手伝って、
意を決してチャレンジすることになった。


やっぱり法律の勉強をしたかったんだろう。
講義を受けるのは楽しかった。

実際、ネットの講義はすべて受講した。
受検の準備をしていた。

しかしながら、わたしは結局、
合格までたどり着くことなく
勉強を中断する。


仕事が忙しくなったということもあるが、
しっかり法律の
勉強がやりきっただけで満足感
があった。


趣味もなかった自分がエネルギーを向ける先になっていたのかもしれない。


一番の理由は、
司法書士になって何をしたいのか。
自分の中で明確にできていなかった


さらに司法書士のメイン業務でもある
不動産登記の勉強が
他の科目と異なり興味が
持てなかったことも追い打ちをかけた。


「そんなの始める前から調べとけよ」というツッコミはご容赦いただきたい。

だから「しくじり」なのだ。

しくじりからの教訓

というわけで、約200万円のお金と
推定3000時間以上を無駄にした
わたしから3つの教訓をお伝えして
この記事を終わりたいと思う。

①資格取得は、ゴールではない。

挫折するひとの大半は、
この事実をきちんと認識していない。
手段と目的を履き違えてはいけない

資格さえ取れれば、
急に目の前が開けて、
仕事も舞い込んできて
ハッピーになれる。

そんなわけない。

もういちど言う。

絶対にそんなわけはない。


一般的に社会で評価される資格であっても、
取得してはじめてスタートライン
に立てる
のだ。

資格取得して、何がしたいのか。

大げさにいえばきちんと「志」を
明確化しておかないといけない


だから大きなハードルに遭遇したとき、
自分の都合のいい言い訳を
当て込んでやめてしまう人が後を
絶たない
のだろう。

難関資格と呼ばれるものは特にそうだ。
かつての私のように、
お金と時間をかけてから敵前逃亡する
ことがないようにしていただきたい。

なので安易に資格試験の講座に飛びつく前に、
取得して何がしたいのか必ず明確化しよう。

②学ぶこと自体を目的として割り切るのはあり

資格取得をキャリアアップや転職などの目的として
置くのではなく、学ぶことに主眼をおく

そういう意味での勉強なら、非常に
有意義なものが溢れている。
簡単な資格なら、「合格」すると
達成感も得られる。

趣味の勉強は楽しい。

実際、わたしも好きなビールやワインの簡単な資格の勉強を暇つぶしにしている。

非常に充実感がある。
そんな気持ちで、資格試験勉強をエンタメのような距離感で楽しむのもいい。

何がなんでも「学び」を仕事に活かすことが、
すべてではないだろう。

③社会で求められるのは、
 「資格」ではなく「経験」

これは、いま自分の仕事と関連のない
資格をキャリアアップの
ために、頑張っている人達に伝えたい


弁護士や医師といった
独占業務のある資格はおいておいて、

取得すると有利になったり、
優遇されたりすることがないとはいわない。

しかしながら、
そういった類の資格保持より
も評価されるのは経験である。

例を挙げよう。

経理をやっている人が、
マーケティング職につきたかったとする。

たとえば、マーケティングの資格を
2つ頑張って取ったとしても、
マーケティング職2年の実務経験の
ある方がいたら、
多くの企業は後者を採用する。

企業から求められるのは
「資格」ではなく「実務経験」
である。

独占業務があるなど、
よほど特殊な資格でない限り、
多くの業界であてはまる。

ここを認識していないがために、
「資格取れれば安心症候群」に
陥り、業者の言いなりにお金と時間を
浪費する方が後をたたない。


稼ぐために資格を取りたいなら、
かかるお金と時間のコストが
取得することのリターンと見合うかどうかを
冷静にじっくり検討してほしい

さいごに

ここまで資格取得をテーマに
私のしくじりを書いてきた。
少しでも、役に立てたら嬉しい。

資格の勉強にどう向き合うかは
人それぞれだが、
やはり学ぶということは尊いことだと思う。

総務省の統計局の2016年の調査によると、
社会人の1日の平均勉強時間は
なんと6分
というデータがあるそうだ。

この記事を最後まで
読んでいただけるようなみなさんは
きっとそれ以上に勉強して
いらっしゃる方がほとんどだと思われる。

何事も前向きに学ぼうと思った時点で、
大きなアドバンテージになるし、
資格にこだわらず一緒に貪欲に学ぶ姿勢を持ってチャレンジしていき
ましょう。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。 みなさんが生き生き健康に働けるためのメッセージを発信していきます。 ぜひサポート、よろしくお願いします。