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社会経験のない彼と面接をして

 パプアニューギニア海産の武藤北斗です。

 先月、社会保険加入を希望するパート従業員の募集を行いました。すると関東に住む30代の男性から応募がありました。彼は大学卒業後、社会経験がない方でした。

 収入のない彼に面接の為に大阪まできてもらうのは、僕としては違和感があり、少し日にちが空いてしまうけども、私が東京に行くタイミングに面接を行いました。

 駅の喫茶店で1時間以上話をしたと思います。

 彼の働くことに対する考えや、家族の事、趣味の事、面接というよりは彼と会話をしました。僕の事や会社のことも話しました。

 その中で一つだけ問題点が浮上してきました。

 彼はゆくゆくは社員になりたかったのです。しかしうちは社員になれる確約は一切ありません。というよりも、なれない確率の方が大きいのが今の会社の現状です。

 ですから社員になれない可能性が極めて高いことをふまえて、もう一度、初めての社会経験であること、大阪であること、家族のこと、将来のことを再度話しました。そのうえで、彼に1週間以上、できればもっと長くじっくり考えてから連絡してほしいと伝えました。

 そして今週彼から連絡がありました。

 彼はうちで働くことを断りました。

 すぐに思ったのは、彼は働くという意思を持ちながら、断った。その決断は大きな一歩なのではないかと。

 今回僕が彼にもっとパプアニューギニア海産で働くことを勧めなかった理由が一つあります。それは、彼があることをきっかけに(プライベートな事なのでふせます)自分はこれから社会に出て働ける、働けるかもという意思を持っていたことです。

 パプアニューギニア海産だから働けるもありますが、それよりも、働けそうだからまずはパプアニューギニア海産でという感覚を受け取っていたのです。

 もしかするとこの感覚というのは、社会一般で言うと、うちに失礼と感じる人もいるかもしれません。しかし、僕は本当に嬉しかったです。

 よしやるぞという一歩の役に立てているというか、跳び箱の踏切台のような存在になれていることは、前向きな社会に貢献できているように思えるのです。

 僕は彼はどこでも働けると思っています。社会経験がないことにとらわれずに、彼のよい面をのばしてくれる会社や経営者に巡り合えることを僕は陰ながら祈っていようと思います。

 そして彼には、就職できる会社があるのに自分の意思で考えて結論をだして断ったことを覚えていてほしい。軽い一歩を、あえて自分で力強いものにかえたことに自信をもって、新しい就職先を探してほしいと思います。

 なんだか僕が彼に力をもらっているようですね。でも実際にそうかもしれません。彼の決断や一歩は生きることに直結していて、そこに多少なりとも関わらせてもらっているのですから、力はもらっているはずです。

 お互いを尊重して力を分け合える社会への一歩を僕は感じたのかもしれません。

パプアニューギニア海産 武藤北斗

 

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体調が悪くなると人の気持ちを軽視する気がします。なので、サポートは私の体調管理に使わせて頂きます。刺絡、整体、水泳などです。私を優しい人間に近づけて頂きありがとうございます。

これでさらに気合いアップ!ありがとうございます!
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1975年福岡県生まれ。パプアニューギニア海産工場長。3児の父。著書「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」。東日本大震災での被災をきっかけに生き方や働き方を模索。好きな日、時間に働くフリースケジュール制などを考案実践中。

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