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#296 モンスター上司を作ったのはあなたかもしれない

 こんにちは武藤北斗です。まずは今週の出来事を5行で紹介。

 補助金申請のための書類を作成しています(たぶん初めて)。アピールする書類は字数いっぱいまで書きたいタイプなので毎週投稿しているnoteがリアル仕事に役立っております。文章を書くことに重圧を感じませんし、要点を抑えながら書くことが鍛えられた気がします。締め切りはまだ先ですがなるべく早く提出できるよう頑張ります。 

それでは今週のnoteはじまります。

パプアニューギニア海産・代表取締役工場長、「生きる職場(イースト・プレス)」著者の武藤北斗です。毎週金曜note投稿中、フォロー嬉しいです。
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#296 モンスター上司を作ったのはあなたかもしれない

 モンスター化した上司やリーダーはとにかく従業員を機械のように考え目先の数字にばかり固執します。全体を見ることができないし、一人一人を見ることもできない。当然ながら従業員にも嫌われます。

 うちにもそんな上司がいるいる!と盛り上がってしまう会社も多いと思いますがちょっと待ってください。今回私はリーダー側にたっており、注意すべき点は従業員にもあるかもしれないという話をしたいと思っています。

 実は改革を進めているリーダーと話をする中で気になる点がありまして、それは従業員自らがリーダーをモンスター化させるきっかけを作ってしまうパターンがとても多いことです。しかも注目すべき点は、協力しない従業員がいるから威圧的になるとかではなく、逆に好意的な気持ちがモンスター化の要因になってしまっているのです。これはもったいないです。せっかく上司が改心してもそれを知らずのうちに止めてしまうのですから。

 他社さんのことは話せないので、6年ほど前の記憶をもとに弊社であったことを例に説明したいと思います。

 パプアニューギニア海産では休憩時間の5分前に作業をやめて休憩の準備に入ります。12時から休憩だとすると11時55分に作業をやめ、そこから前掛けや手袋をはずし休憩に入ります。3分もあれば終わるので11時58分には休憩に入ります。残りの2分は気持ちよく休憩に入るための時間と考え勤務時間として計算しています(この経緯は148回投稿をご参照ください)。

 しかしある時新人さんがみんなとは違う行動をしました。11時55分をすぎても作業を続けているのです。何か勘違いしているのかと思い声をかけると『毎日2分も早く休憩に入るのが申し訳ない』と言うのです。前の職場では12時ぴったり、もしくはちょっと過ぎてから休憩に入るのが普通だったようです。

 どう考えても悪意は持っていませんし、むしろ会社のことを考えてくれた行為です。新人さんだから気を使ったのかもしれません。普通の会社であれば、ルールよりも上下関係の空気を読む方が大事なんて聞きますから気持ちが分からなくはないです。

 ですがそれを分かった上で注意をしました。

 『ルールを破らないでください。良かれと思ってやることでもルールを破ることでみんなに迷惑がかかります』と。

 私は2つの問題点を感じています。

 まず一つはルールを守っている人がずるい人のように見えてしまうこと。最初はみんなたいして気にしないでしょう。しかし時間の経過とともに57分まで作業する人は『頑張っている人』という見え方になり、55分で作業を終えている人は『先に作業をやめる人』という見え方になる可能性があります。下手をすればルールを守っている人が自分のことしか考えない身勝手な人に見えてしまうのです。

 ここでもう一つの問題点にも直結するのですが、こうなってくるとリーダーも何だか損をしている気分になるのです。55分までの人があと2分作業すればあれもできる、これもできると考え始めます。これがまさにリーダーを目先の数字しか見えないモンスターにするきっかけになります。そして更に悲劇は続きます。リーダーは55分から58分までの3分に関してもどうにか節約できないかと考え始めてしまうのです。そして働きやすい職場なんて考え方はどこかにいってしまい、ひたすら目先の数字ばかりを追うようになるわけです。

 しかしここで一つ勘違いしないように補足しておきたいことがあります。それは効率を考え提案することが問題なのでありません。目先の数字のためにルールを破る行為が上司をモンスター化させてしまうのです。

 今回の例でも意見として面談で聞いていれば何も問題はなかったと思います。逆にこの2分の意味、休憩をどう捉えているか、その後の作業にどう影響するか、そういった細部をより詳しく伝えることができたし、そこからさらに対話を重ねることができたかもしれません。この対話の積み重ねとお互いの考えを知ることの繰り返しが組織にとって重要なのです。

 結局大事なのはルールをいかに守り、いかに変更していくかです。よかれと思ってとか、会社のことを考えてとか、それはルールを破る理由にはなっておらず、リーダーをモンスター化させる小さな種を撒いているにすぎません。

 リーダーの暴走のきっかけを作っているのはもしかしたら自分かもしれない。そんなことを考えてみるのも働き方改革の一つだと思います。

毎週金曜投稿中。スキやシェアでの応援よろしくお願いします!!

パプアニューギニア海産
代表取締役工場長 武藤北斗


・働き方アドバイザー、自分が楽しんでおります

・とまらない旨さオリジナルエビフライ人気No1

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