見出し画像

100km歩くと人間はペンギンへと進化する【備忘録】

まず、これはただの振り返り日記である。
長い。先に言う。駄文失礼。
24時間寝ずに歩いた記録を綴る。
特に何もないつまらないドキュメンタリー日記である。

完歩には何が必要かをまとめた文章は別に書いたのでそちらを見て下さい。

今回はこれを走ります。↓

105kmのルート

まさにルート通り!素晴らしい。
これが105kmあるようです。
20時間42分って誰を参考にしているんでしょうね?

🔲スタート前

朝、いつも通り6時半ごろに起きる。
今日は寝ずに歩くんだからもっと寝とかなければとは思いはしたが、二度寝は出来ず普通に起きた。

ご飯を食べてストレッチ、足のマッサージをして過ごす。

会場まで公共機関を使って行く。
同じ船には似たような格好の人が他に三人ほど。
知らない人だけどついつい挨拶してしまう。
佐世保市に到着後徒歩で会場へ、開始1時間半前には到着し受付を済ます。

コンビニで買ったおにぎりをスタート1時間前に2つほど食べ、着替えをしてストレッチなどして体を解す。
ここで思う。準備運動している人が少ない。準備運動どころか着替えてただ座っているだけの人が多い気がする。マラソンの時はみんな必死にアップしてたよね?
これから始まる長丁場、みんな体力を温存しておく作戦だろうか?

スタート20分前にスタートの位置に各々集まり、スタート15分前からセレモニー。佐世保の新市長の話や実行委員長の話を聞く。みんな話は上手だ。

🔲スタート

ということで12時にスタート。
流れに乗ってゆったりと歩き出す。
ガチの人たちはしばらくして颯爽と消えていく。

ガチの人の歩き方は競歩そのものである。

暑い。ペットボトルの水を持ってきてて良かった。
道中でコンビニやドラッグストアによる人も多い。

途中、信号に引っかかることが多く足がよく止まった。
同じくらいのペースで歩いている人でも信号に引っかかってしまうと、
どんどん距離を離されてしまう。

信号待ちが実にもったいない時間だ。
5km/hを少し上回るくらいのペースで歩いた。
途中で支給されたかき氷が美味しかった。

🔲32km地点到着



時間は18時。@東そのぎ
目標通りに到着することができた。
途中に登り坂も多かったが、まだ前半戦で余力があった分、なんとかなった。
菓子パン二つを補給し、スポドリ500mlを勢いで全部飲んでしまった。
甘いものが体に染みる。
まだまだ日も落ちず明るいので気分は良い。
足は疲れてはいるが、立てないほどではない。

15分ほど休憩し次に向けて出発。
ここから大体10kmおきにチェックポイントがあるようだ。
リタイアの人も増えてくるのかな?

歩き出すと段々と日が暮れてくる。19時半ごろにはもう暗くなっていただろうか。いつも車でよく通る道をこんな感じかと明るいうちに目に焼き付けておく。

なんとか、陽が完全に落ちる前にインスタ映えポイントの千綿駅に到着する。
写真を撮ったが、特に止まらずひたすら歩く。
止まる方がシンドいわ。という気持ちになってくる。

暗くなる前に何とか千綿駅通過

🔲42km地点到着
時間は忘れたけど暗くなっていた。
ここではスポドリを1本また飲んでしまう。
5ほど休憩して再出発。
中間地点まで早く到着しないといけないと気持ちは焦る。

足も少し重くなってきた。

🔲50kmの中間地点到着


晩御飯

21時55分に到着。足はだいぶ重い。道路工事のせいで無駄に道路を往復する羽目になる。残念。
22時までには最低でも着きたいと思っていたのでなんとか、計算範囲内。
ただ、どんどんペースは落ちていく。
ここまで来ると集団もどんどんばらけ、個人戦みたいである。
前半戦で見たノリと勢いで参加した感じの人たちはどうなったのだろうか。

リタイアゾーンにも人はだいぶ多く集まっているように思える。

ここではカップうどんとおにぎりを二つほどいただく。
うどんが美味しい。おにぎりはしょっぱい。
ウォーカー用にミネラル多めにしてくれてるのか、自分の体がそう感じるだけなのだろうか。
座るともう立ち上がれないくらいになっている。
結構シンドい。
30分程休憩し、
なんとか立ち上がり、歩き出す。

後、半分もあるのかー
足取りはとても重たい。
慣れたところはここまで、
ここから先の道は運転したことはあるけど、馴染みは薄い。

無駄にキツイ鈴田峠。中間地点すぎてすぐに長い上り坂はきつい。遠くの高いところに点滅している赤いランプを見て頑張ろうと自分を鼓舞し歩く。

みんなよく歩くよね。何考えているんだろう。
坂道の途中、少しづつパラパラと雨が降ってくる。夜も深まり、嫌な気分だ。
雨に濡れながらなんとか坂の頂上に着く、特に感動はないが、眠くもない。
滑らないよう足元に気をつける。

誰とも喋らず、一人で歩き続ける。

雨がひどくなり、ついに用意していた100均レインポンチョを着る。性能はよく分からないけど、雨風と寒さも凌げた気がする。

深夜に雨の中疲れた体で歩くもんじゃない。
メンタルボロボロ。
でも、リタイアだけはしたくない。

🔲62km地点到着
諫早の総合運動場。
v・ファーレンの試合してたのかな?
途中に元気そうに歩いていて抜かれた若者がリタイアゾーンに膝にテーピングして座っている。
元気な人でもそうなるのか。
ウォーキング恐るべし。
舐めてはかかれない競技ですね。

雨もまだ降っている。
5分程休憩し、また歩く。

歩いてすぐ、前抜かれた記憶がある女性をすぐに追い抜く。
皆疲れているんだね。

一歩一歩歩く。ここまでくると、信号待ちは合法的に休憩できるので少しありがたかったりする。信号以外ではどんなにきつくても止まらないというマイルールを発動させる。

暗いし雨だし、景色は一切見えない。音楽を聴きたい気分にもなるが、無心でひたすら歩く。

🔲73km地点到着

時間は忘れたが深夜であった。
ギラギラ光っている所は全てこのチェックポイントじゃないのか?
と、期待しながら歩くも空振りしかない。
心が折れそう。

場所は森山町。車でも停まったことない。
このチェックポイントは結構リタイア者が待機していた気がする。
時間制限的にもここら辺で切られる人も多いのかな?
暗いし深夜だし、疲れも溜まるし、気分も滅入る時間ですよね。
リタイアの誘惑魔よこっちに来るなですわ。

バスの中が天国に見えた。柔らかい椅子に座ってバスの中でころっと寝て夢でも見たいなーという気にもなった。

半分はなんとか超えたんだ、リタイアはしたくない。
足はめちゃくちゃ痛いけど。

深夜であったため、おにぎりやパンもあったが食べず、スポドリと水を飲む。
粉のメダリストを一袋飲む。支給された栄養ドリンクも飲む。

栄養摂りすぎじゃないか?w

座るともう立てないくらいしんどい。
この大会に出ていなかったら絶対立ち上がらないくらい足は痛い。
そして曲がらない。

足は攣らないが、痛く、歩き始めは棒のように重たい。
しばらくすると麻痺するのかアドレナリンが出てるのか
それなりに歩けるようになる。

不思議なものだ。

この距離まで来ると足は痛い。
ただ心肺機能は全く問題なし。
息切れもゼーゼーもしない。
呼吸は正常。
ただ、足に筋肉疲労があるだけだ。

足取りは重く、ペースも前より落ちるがまだ歩ける。
ヘッドライトがだんだん弱くなってくる。
足元が見えにくくなってきた。
早く夜が明けないかなーと悶々と考えながら歩く。

もはや何を考えているか分からない。


🔲83km地点到着
明け方5時半ごろに到着。
夜の時点で着ていたレインポンチョをここで脱ぐ。
陽が出たら暑そうだ。
この時点で夜は明け、ほのかに明るい。雰囲気的にはいいが足はほぼ限界。リタイアしたいが、後ハーフマラソンの距離だと思い頑張ろうと思った。

ここでも栄養ドリンクを一本飲む。
一日一本みたいな表示あった気もしたが、今日は関係ない。

次のチェックポイントまでの終盤にサッカーで有名な国見町に入るとサッカーボール型の電灯が道に沿って置かれてある。

歩けど歩けどその電灯が続いていて一向に終わりが見えない。
国見がサッカーの街だということは体を張って覚えたぞ。ただ次は電灯の数を数えることもなく、車でビューッと通りしぎてやりたい!

80km過ぎてからのウォーキングは本当に足取りが重い。
マラソンの30km過ぎと同じ感じだ。
ただ走ってる方が気づいたら通り過ぎてくからいいなと歩きながら考えた。

きついのに考える時間と余裕がいっぱいあり過ぎて困る。
この辺りの体感時間は本当に長かった。魔の80〜90kmだ。

🔲96km地点到着

朝の8時半ごろになんとか着く。
計算上は9時にここを出発すればゴールに安心して着けるはずなので、最後の休憩を取る。
ただ座ったら歩けない。足も動かない。
ちょっと焦る。

とりあえず、支給された菓子パンを食べる。
ただ途中のチェックポイントにあった食べ損ねたジャリパンがここにはなく残念であった。メロンパンをスタッフがとても推してくるがあえて違うのを食べた。

隣に座っていたおじさんと喋る。
皆限界すでに突破しているのですね。

ここは止まらずゴールまで歩くべきだったかと思ったがもう遅い。
ウォーキングの最終盤は少しの停止でも足が痛くなり動かなくなり命取りになるなと思った。信号に引っかからないよう遠くをよく見て歩くようにした。
全然スピードは出ませんが。

事前に調べていた100km地点のバス停に到着する。
自分と同じように足を痛めた感じで頑張っている男性と一緒になる。

なんで主催者よ他の大会のように100kmをゴールにしてくれなかったんだ!
と一緒に嘆く。

この声は届かない。朝の10時であった。
本当。ここからの5kmは長かった。
マラソンでいう所の2.195km部分である。なんであるのソコ?という気持ち。

でもしょうがない。そういう大会である。
5kmで自分を最大限追い込んでやろうと考える。
いやっ、早くゴールして休みたいよとずっと考える。

島原の景色を楽しむ余裕は一切ない。
ただゴールをして座りたいだけ。
なぜ俺は歩いている?

途中でゴールの島原城が見えた。
少しやる気が出る。
流石にもう大丈夫でしょうと安心する。

でも意外と到着しない。蜃気楼か?
頑張って歩くとガードマンが見えた。

ソコまっすぐいけばすぐゴールですよと言われた。
なんでもいい。早くゴールさせておくれ

そしてゴールの島原城の駐車場がようやく見えた。

ゴールはもうすぐそこ

🔲ゴール105km完歩

ゴール直前

ゴーーーーー-ル!!
すごい感動というよりはもうこれで歩かなくて済むという安心感。

よくやった俺。
全然眠くない。もう30時間くらい起きているはずなのに。

到着時刻は11時12分。
最初の予想よりは1時間くらい遅かったがなんとか時間内。
よかった。
これ絶対ゴール前で時間切れになる人いるよね??

記念写真を撮り座る。
今度は本格的に立てない。
でもいい、もうゴールしたのだから。
ん?帰りも歩かないといけないよね?
流石に西海市から島原市は遠く迎えは来ない。
しかし、考える余裕もない。
とりあえず、地面に倒れとく。

おめでとう自分!
完歩おめでとう!

空は青い。いやっ結構曇っていた。

一度完歩すると、勝ち逃げできる。
自分は一度達成したのだから二度とやらなくていいという理由ができるのだ(笑)

後半戦のモチベーションは全てこれである。
達成してもう二度とやらない!だから頑張る。

リタイアしたら振り出しに戻るである。

まるで受験勉強みたいだ。

取り合えずよかった。

🔲ゴール後

マッサージ学校の人が数人派遣されていたのでお世話になる。
それでも足は動かない。
迷惑かけましたが本当に助かった。
どこかでお店出していたら一回くらい行かないといけないね。

ゴールして私は人からペンギンになった。

帰りの宛は一切なかったがたまたま歩いていた主催者に聞いたら佐世保行きのシャトルバスがあるとのこと。しかも早い者勝ち。席が埋まったら即出発。

スタッフの方に預けていた荷物を取っていただき、ペンギンの足でバスに向かう。

帰るまでが遠足というがウォーキングも一緒
帰るまでがウルトラウォークラリー。

力尽きて一歩も歩けないという状態でいかに家に帰るかというのはしっかり考えておかないといけない。

と、今更思う。
反省。

バスの出発より先に席で眠りに落ちた。
途中目を覚ます。車内はとても静かだ。
みんな疲れているのね。

おやすみなさい


長文失礼致しました。

🔲あと書き


24時間にいろんなことが詰め込まれた、振り返るととても実のある大会でした。
もう参加したくはないけど。

疲れたとか足痛いとかの言葉がいっぱい文章中にありますね。
それがまさにウォーキング中の心の声。w

1週間経って、まだ足が痛い!!

早く人間になりたい!



この記事が参加している募集

#散歩日記

10,155件

#この経験に学べ

55,390件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?