自己紹介⑥初舞台~北煌樹@Arther~
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北煌樹@Arther(ほくおうじゅあーさー)です(*´▽`*)
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森は生きている
ご存じの方も少なくないかもしれませんが、この『森は生きている』はロシアの作家マルシャーク原作の物語で、翻訳家:湯浅芳子さん翻訳のものが有名な作品です。他にも、12月のものがたりという題名で翻訳されているものもあり、日本でも有名な海外童話作品です。
実はこのグループ森。正式名称は、
『森は生きている上演実行委員会』
といい、この、森は生きているを上演するために立ち上げられた集団なのです。
発起者は、札幌市内の小学生や保護者の方にはおなじみの、『おしゃべりからす』を発行している共育舎を運営している、小川道子先生(実名出してすみません笑)。
小川先生は長年物書きをされている作家であり、脚本家。
小川先生が、子どもや親御さん達に命の大切さや人を思いやる心、自然を大切にすることや強い信念を持つことなど、様々なことを伝えたく、この『森は生きている』を舞台化しようと立ち上げたものでした。
森の学校はその翌年にも開催することが決まり、もちろん私は参加。前年と同じ顔ぶれも少なくなく、約半年ぶりの再会に話しも弾みます。
その秋、冬の公演である森は生きているの参加オーディションが開催され、私はもちろん参加。審査員は森の学校でお世話になっている講師の面々。顔なじみとはいえ、とてつもなく緊張していました。
オーディション方法は、応募した思いを伝える面接試験のようなものと、昨年の公演の台本の中の1シーンを実際に演じる実技試験のようなものを行いました。
結果は後日ということで、結果が届くまでは本当に落ち着かない日々でした(笑)
そうして初めてのオーディションというものを経て、無事に本公演の舞台に立てることとなりました。
合格のお知らせが届いた時は、嬉しさと緊張と興奮と…様々な感情に抱かれたことを覚えています。
後日談ですが、この舞台は森の動物たちという役として小学生の子役の子たちも一緒に舞台を作り上げており、大人組と子ども組、と言って分けて表現していました。大人組として中学2年生が参加したのは異例のことだったそうで、私が参加した時の要項は中学生以上となっていたのですが、その翌年から応募要項が18歳以上と変更されました(笑)
そしていよいよ、10月。初顔合わせ。
森の学校では出会っていない人たちが大勢。緊張するなというほうが無理です(笑)
この舞台はかなりの人数で作り上げる内容となっていて、自己紹介だけでも相当な時間を要しました。私が中学2年と話すと、若干会場がザワつきました(笑)それほど中学2年の、しかも男の子(演劇業界は総じて女性が多い)が大人組で参加することは特殊だったのです。
一通り自己紹介が終わると、台本が配られました。
かなりのボリュームのお話しなので、台本も分厚くて驚きました。そして配られると同時に、すぐに配役も発表されました。なにせすべてが初めてのその流れにとても戸惑うと同時に気持ちが付いていけませんでした(笑)
そんな中、自分はどんな役になるのか、本当に心臓が飛び出そうなほどバクバクしていました。
森は生きているという物語
ここで、ザックリとこの『森は生きている』のストーリーを。
物語の舞台は、北海道のような冬には厳しい雪と寒さに覆われる雪国の、時は大晦日の夜のお話し。
森の奥にマーシャというそれはそれは働き者の美しい娘が居ました。マーシャは継母と義姉と共に暮らしていましたが、継母たちは薪拾いや水汲みなどは全てマーシャに押し付けていました。それでもマーシャは住む場所があることに感謝をしながら暮らしていました。
そんな森の奥深くのとある場所では、この大晦日の夜に年に一度だけ、12つきのそれぞれの精達が集いを開いていました。
この12つきの精たちは、それぞれの月の自然の営みを生み出し、見守り、時には人間たちに自然の大切さを知らしめる為にオシオキをしながら、自然を守っていました。
マーシャの住む王国は、小さいころに両親を亡くし、子どもながらに王女となった女王様が治めていました。
女王様を立派に育てようと、先代から務める博士や女官長が必死になりますが、女王様はもうウンザリ。
そんな中、ひょんなキッカケから、女王様は春の花である『マツユキ草』を新年の祭りに見たいと言い出し、国中に御触れを出します。
「新年の祭りにマツユキ草を届けた者には褒美を取らせる...」
そんな御触れをマーシャの継母たちが見逃すはずがありません。
見つけるまで帰ってくるんじゃないよ!とマーシャを探しに行かせます。
困り果ててた中、マーシャはこの真冬の森の奥から、明るく温かい光が見え、そこへ向かい、そこで出逢ったのは12つきの精達。
事情を聴いた12つきの精達が取った行動とは...。
と、こんなストーリーです。
全てのストーリーを描いてしまいそうになりましたが、我慢しました(笑)
この物語は、自然を顧みない人達、大人の都合ばかりを押し付ける大人、自分の欲望にまみれてしまう人達、自然の厳しさと恵み、人の成長、子ども達の可能性、などなど、様々な人間模様が描かれ、子どもはファンタジックに、そして大人は『人』という在り方を考えさせられる作品になっています。
初めての役
私がいただいた最初の役は、衛兵の役でした。出番は、上記のストーリーの後の場面の王宮で開かれる新年会の護衛する衛兵で、約20分ほどずっと立っているのと、その後女王一行が森へ出かける場面でした。
セリフは無く、森の学校で学んだエチュードが発揮される役です。
正直なとこをお話しすると、少し残念ではありましたが、初舞台となる中学2年生ですから、当然と言えば当然です。
ただ、配役発表のあと、脚本家である小川先生からこんな話しがありました。
「(体が)小さな役者はいるけど、小さな役は無い」
セリフが有ろうと無かろうと、出番が多かろうと少なかろうと、その舞台を作り上げるうえでどんな役も必要な役であり大切な役である、ということです。
私はハッとしました。まるで私の心内を見られたかのようなお話し。
その後の稽古では、その衛兵という役に自分なりに真剣に向き合いました。また、自分の出番の場面ではない稽古にも全て参加しました。学校でも休み時間の度に台本を読み、家でもずっと読んでいました。
参加している人たちは皆社会人の方々で、お仕事などの都合で稽古に参加できない日もあり、そんな時にはその場面の稽古の代役として色んな役も経験させてもらいました。
毎日台本が擦り切れるほど読み込んでいたことが功を奏したのか、稽古期間も中盤ころにはほぼすべての役のセリフが、つまり台本丸々頭の中に入っていたので、台本を見ずともセリフが出てくる代役となっていたのです。
そんな姿を見てかどうかは解りませんが、ある時脚本家の小川先生に呼ばれ、こう訊かれます。
「アーサー、相談なんだけど、良かったら9月の精をやってみない?」
私は驚きと同時に喜びと興奮がこみ上げてきました。
もちろん私は「有り難う御座います!是非やらせてください!」と、二つ返事でお受けしました。
「今のアーサーなら任せられる」と仰ってくださったときは、本当に泣きそうでした。
当然その日の帰りは本当に興奮が収まりません。12つきの精達は、この作品でも主要な役どころであり、もちろんセリフもあるし出番も多い。それに加え、12つきの精達の役のみんなは常に一緒に稽古をし、仲も良く、いつも和気藹々としていて、少し恨めしくも思っていたので、今思うとその輪に入れることが何より嬉しかったかもしれません。
小川先生とのお話しの翌日、正式に私が9月の精をやることが発表され、改めて挨拶を。少しテレくさい気持ちもありましたが、喜びを隠しきれません。きっと周りの大人たちには私の心内はすべて見透かされていたかと思うと、思い出すと少し恥ずかしいですね(笑)
そしてなんと、最初にいただいていた衛兵の役もそのまま継続してとのこと。初舞台であるにも関わらず、2役もやらせていただけるなんて。
より一層気を引き締めて向き合おうと気持ちを新たにしたのを覚えています。
そして迎えた本番当日。
とてつもない緊張に苛まれていました。それもそうです。札幌市教育文化会館という大きな舞台に初めて立つのですから。
公演は3日間の計6公演。一番最初の公演ではド緊張のままアッというまに終わってしまった感があったのですが、最後の千秋楽では、色んな想いが込み上げてきて、涙が抑えきれませんでした。
そんな私の初舞台。今は亡き祖父が、叔父叔母や従兄弟たちと共に観に来てくれました。
私は舞台に無我夢中で、本番中は気付かなかったのですが、仲間が、前席に座って観てたおじいちゃんすごく泣いて観てくれてたね、という会話をしていたのを耳にした後、実はそれが私の祖父だったことを知りました(笑)
祖父はただただ物語に感動してくれていたのでは無く、実は昔、祖父も演劇の世界に入りたかったが、戦争を通して生きることが最優先だったため自分が演劇の世界に居られなかったことを、孫である私がその意志を継いでくれた様に感じた為、想いが込み上げてきたそう。
祖父に、俺の代わりに演劇の世界に入ってくれて有り難うと言われたことは今でも思い出せます。
後述しますが、私にとってこの演劇というものに出逢えことは人生においてそれはそれは大きな大きな出来事となったので、祖父が亡くなった時、私に演劇という世界を与えてくれた祖父に心から感謝したことを覚えています。
有り難う
じいちゃん
自己紹介⑦へ続きます(^^)/
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それでは
有り難うございました
٩( 'ω' )و
令和3年8月吉日 北煌樹アーサー
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