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【今日のニュース6/2】ブリヂストン、新興EVと協業で事業創出を目指す

<ポイント>
・ブリヂストンはEV時代のタイヤメーカーの覇権を握るため新興EVともタイヤ開発から保守までの補完関係を築き、未来の収益源を探る
・ブリヂストンの顧客接点を新興EVが使うという新たなビジネスモデルを提供
・開発スピードを重視する新興EVとのタイヤ取引を拡大するため、開発期間を数年単位から約1年に短縮

<解説>
ブリヂストンは新興EV企業、蘭ライトイヤーや米フィスカーと提携。特別仕様の軽量タイヤの供給や、保守サービスの運用などを請け負い始めた。成長企業を見極めて、いかに早い段階から手を組めるかがEV時代のタイヤメーカーの覇権を左右するため、変化を厭わないブリヂストンの覚悟が見られる。

ブリヂストンは欧州に加え、北米に2200もの直営店網を持っており、21年9月には欧州と北米で充電サービスを提供するオランダのEVボックスとも提携。欧州の販売店に今後5年で3500基の充電器を設置するなど、拠点網のEV対応を急いでいる。

新興EVから保守サービスの相談が多い背景には、既存の車メーカーから独立した存在でありながら、グローバルな店舗網と車の保守ノウハウを持っていることが大きい。

新興以外にもブリヂストンは独自技術エンライトン(ゴムなど部材の使用量を極限まで減らし、抵抗も少なくするブリヂストン独自技術)を使ったEVタイヤの売り込みを急ぐ。すでにトヨタやフォルクスワーゲンのEVに採用が決まっており、付加価値を追求する。

現在ブリヂストンは10年前には高い競争力を誇った低燃費タイヤ「エコピア」は中韓勢などの技術的な追い上げにあい、今は激しい販売競争にさらされている。今後EV向けのタイヤも同じような価格競争は避けられないだろう。EVシフトの大転換期においては型にはまらない柔軟な経営判断が重要になってくるだろう。



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