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読書日記。

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読書日記集です。
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#司馬遼太郎

読書日記その548 「ロシアについて  北方の原形」

読書日記その548 「ロシアについて 北方の原形」

これは司馬リョウ先生のロシア評だ。そして現在のロシアにもあてはまるようにも思える。本書を読むと、これらロシア人の性質の根底にあるのは、遊牧民族や西洋人による侵攻・虐殺という歴史の積み重ねからきてることがよくわかる。

ロシア人が東方シベリアの遊牧民族を制圧したのは16世紀に入ってから、イヴァン4世の時代だ。きっかけは小銃の発達である。それまでは馬上から弓を放つのが主流だったのを、イヴァン4世は小銃

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読書日記その539 「播磨灘物語 4」

読書日記その539 「播磨灘物語 4」

高松城水攻め〜本能寺の変〜中国大返し〜山崎の戦い〜隠居〜関ヶ原の戦い

秀吉の天下取りの構想を描き、ついに実現させる官兵衛。これは「中国大返し」からの構想が秀吉の思案なのか、官兵衛の思案なのかでずいぶんとちがう。

このように、本書は官兵衛が秀吉をうながしたという説をとっているので、天下取りの構想を描いたのは官兵衛になる。

また山崎の合戦において、秀吉と官兵衛にとって幸運だったのは、信長の三男信

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読書日記その534 「播磨灘物語 3」

読書日記その534 「播磨灘物語 3」

小寺氏寝返り〜官兵衛幽閉〜竹中半兵衛、松寿丸をかくまう〜村重落去〜伊丹城落城〜半兵衛の死〜三木城落城〜宇喜多直家の死〜秀吉軍、岡山城入城

官兵衛の主君である小寺藤兵衛の小物ぶりには呆れる。官兵衛は藤兵衛のはっきりしない態度に振り回され、結局1年有余という長い間、荒木村重によって幽閉され半死半生の目に合うのだ。

ここで官兵衛にとって幸運だったのは、村重がキリシタンの理解者だったこと。キリシタンで

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