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ライオンの広報noteを読んで、思わずNANOX oneを買ってしまったので分析してみた

私はある日ふと、ライオンの広報noteをよんだ。


翌日、ナノックスoneを購入していた。


文章で成果を出すサービス・ホギコトの日野成美です。

前回のnoteはこちら

前から私は思っていました。
「世にあるすばらしいPRや広告を褒めたたえるnoteを書きたい」

よいものを語ることで、Webマーケティングでの打ち手を探す読者様により多様な解決策をご紹介できるようにしたい。


そもそもWebマーケティングはエビデンス・基盤となる広報あってこそ。
なんぼマーケで頑張っても、広報・PRとの連動がなければ相乗効果は生まれないのです。

今日、満願かなっての第1回。
勇気を出して書かせていただきます。

ライオンの広報note様です。

ライオンnote様へ
とても良い発信でしたので、紹介させていただきます!
もし掲載に差し支えあるようでしたら、hogikoto.co@gmail.com日野宛までご連絡ください。

CASE:ライオン株式会社(以下、敬称略)

業種:メーカー(生活用品製造販売業)
設立:1918年(創業1891年)
従業員数:7,550名(グループ連結)

事業内容:ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品等の製造販売、海外現地会社への輸出

https://www.lion.co.jp/ja/company/about/

国内外に洗剤やハミガキなどを製造・販売するライオン。だれもが知る有名メーカー様ですね。

そんなライオンのnoteはどちらかというと広報・PR記事として発信されています。
大企業なのであつかうトピックは多種多様。「習慣」にまつわる話題を主に提供しつつ、研究開発ストーリーなども掲載されていますね。

その中でもひときわエレガントだった広報記事がこちらです

あなたは洗剤・NANOX one(ナノックス・ワン)をご存知でしょうか?


透明なブルー・淡いパープルなどのポップな色が特徴的な洗濯洗剤です。

だれでもウェルシアとかで見かけたことあるんじゃない?というくらいにメジャーな洗濯洗剤。

読んでしまうとついつい、数ある洗濯洗剤の中からナノックスoneを手に取らせてしまう。
大企業広報、これにあり。
というような素晴らしい広報記事だったのです。

製品のうまれる欠落「洗濯がキライ!」

さて、広報記事のご紹介。

まさか洗濯洗剤の開発担当者が「洗濯がきらいです」と言い出すとは思わんかった!
記事の頭から飛び出す、堂々とした洗濯ぎらい感!(タイトルにもなってるね)

かくいう私は洗濯は好きな家事No.2(1位は皿洗い)。洗濯機任せで大丈夫だし、シャキッとした洗剤のにおいを楽しみながら干すのも大好き。

しかし世の中にはいろんな人がいる。
ライオンのお客様の中にも、イヤイヤ洗濯してる人が確かにいる。

というのも、私自身が洗濯って面倒くさいなあと思っているので、家にきれいな色の洗剤があったら、少しは気分が上がるかなと思うからです。面倒くさいなと思っている人に、きれいな洗剤を見て、少しでも洗濯に対してポジティブな気持ちになってもらえたら嬉しいです。

https://note.lion.co.jp/n/n42ec872eb473


この「家事が好きではない」「洗濯が嫌い」という開発者のパーソナリティが広報にいい味を出しています。


繰り返しになりますが、たくさんいるライオンのお客様の中には、家事がキライな人だって山ほどいるだろうからです。

たしかにネットに入れたりパンパンと叩いてから干さないとシワになったり、めんどい工数が多い洗濯。

せっかく干してもニオイがついたらテンションダダ下がり。
わりと洗濯キライな人ってメジャーなのかもしれません。

さて、部屋干し派の私。
洗濯洗剤に求める要素は1にも2にも「ニオイ防止」です。

この点、ライオンの製品開発のガチな様子が説得力に拍車をかけます。


大企業リソースすげーー!!検証のためとはいえ、わざわざ海外から部屋干しタオルを取り寄せるのか!ニオイ評価で盛り上がる職場ってどんなの?ありとあらゆるニオイが充満してそうな設備!


事実、私が購入して使ってるナノックスoneで洗濯したところ、1回も部屋干しの悪臭で悩んだことないんですよね。

きっと研究室ではもっとヤバくクサイTシャツやタオルで検証していたのでしょう。

記事で描かれる製品開発の徹底ぶりが、洗濯洗剤にかけるクオリティの高さを彷彿とさせて。
つい翌日赴いたウェルシアで、私はナノックスoneを手にとっていました。

あの日の衝撃は忘れられません。

ボトル1つにもサステナビリティを追求する大企業の意地

ボトル開発というパートにも、大企業の意地が見えました。


なるべく、洗濯体験をたのしめるように。
という流れにつながっていく上で、気になるのが「捨てる宿命のボトル」。

(ちなみにこちらの容器開発の方も、家事は苦手だとか。)


ナノックスのポップな色味を活かす透明ボトルですが、

そのままだと光の影響を受けて洗剤が変質してしまうので、かなりの工夫を施しているそうです。

さらに運びやすさ、手に取りやすい形、落ちないように……。
なんかもうすみません。498円とかでそんないい洗剤買わせてもらって。みたいな心配りが容器1つにもあふれています。

捨てるたびに「もったいない」「環境が心配」となるプラスチックボトル。

「心配いらないよ!
バイオマスPETという植物由来のプラスチック利用してるからエコだよ。ドイツまで展示会に行ったりして最先端の技術を勉強してるよ!」


さすがライオン、ぬかりない。
広報記事を通して、お客様が自社製品をえらぶ「罪悪感」すら払底しようとしている。

1にも2にも顧客体験を徹底して考えるライオンの開発ストーリー。本当に圧巻でした。

なぜライオンは広報記事で「売れた」のか?

さて、ここから分析です。


ふつうPR記事以外の要素で購買CVになることは少ない。
ライオン様のケースは「もともと見知っていた製品の開発ストーリーを公開することで、ブランドにファンを作る」というパターンで購買における優位性をつくった優れたケースだな、と。

  • お客様思いの姿勢が伝わるブランディング

  • 等身大のお悩み解決エピソード

製品活用シーンをリアルに描くことで購買につなげるのはセールスライティングの基本ですが、
ライオンnoteは「安心して使える洗剤」というパーセプション(消費者心理)を広報記事で強化・構築することに成功したと分析できます。


また、今回再発見できたことがありました。

広報はAIDMA的なフレームワークでいいんだな。と。


マーケティングだとよりソリッドにエンドユーザーへアプローチできるPASONAとかがメインで、AIDMAは時代遅れといわれがち。


しかしガツガツせずにエレガントなPRをするという観点からすると、AIDMAはものすごく効果的なフレームワークでは?と。


あとは純粋に、製品の質がものすごく良い。
機能面でまちがいなく製品がいいからこそ、競合他社との差別化はガツガツせず「お客様のために、楽しくなるような洗剤をつくりました」とサラッと言えば済む。これはすごいことです。


もちろん広報とマーケティングは連結させないと意味がありません。
ふだんから懸命にCM等でPRを重ね、店舗でも目立つ位置におけるよう営業部門が必死になっているからこそ、私はナノックスoneという洗剤製品を手に取ることができました。
改めてライオン様はすさまじい企業様だな。と思えます。


ナノックスoneは、たいていのドラッグストアで置いています。

競合他社ではなく、NANOX oneをどうしても選んでほしい。

そのために、安心してお客様に使っていただくための発信をする。

企業としての立ち位置をしっかりと固めておくことで、信頼感で売ることができる。

これはどの企業も同じことだと思います。
信頼感で、人はものを買う。
それがエンゲージメントやリピート率の正体なのですから。


お客様に一歩でも寄り添う姿勢があるなら、広報記事だって売上に貢献できる。

勇気をもらえたエレガントなnoteでした。

改めましてライオンnote担当者様、素敵な記事をありがとうございました!

(ひゃー、今回、すごく勇気がいりました。今後も地味にスゴイプロモーションや広告について、書いていきます)

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