人間心理を動かすライティングを学習する秀逸な教材①『AKB48 フライングゲット』
こんにちは、ひろです。今日はアイドルビジネスに欠かせない楽曲に秘められた破壊力について考察します。
題材は『AKB48 フライングゲット』です。
ネタとしては少し古いですが、コピーライティングの教材としては秀逸なのでご容赦ください。
まず前提となる考え方を挙げますね。
音楽とは一種の洗脳ツールです。次の記事をご覧ください。
音楽のもう一つの目的は、耳の可処分時間の占有です。
マーケティング的に言えば「単純接触効果によってファン化を促進し、LTVを上げるコンテンツ」です。
もちろんアーティストの中には、ビジネスカラーが薄い方々もおられます。
「多くのお客さんに喜ばれる良い楽曲を作って、一人でも多くの人を元気付けたい!」というアーティストもおられるはずです。
ただ大ヒットを生み出す楽曲のほとんどは、マーケティング戦略に基づいて生み出された作品なのです。
綿密なマーケティング戦略によって生み出される楽曲のトップが『アイドル』です。
特に秋元康さんがプロデュースされる楽曲は、かなり綿密で戦略的です。
悪い言い方をすると、ファンを泥沼の中に引きずり込む魔力があります。
中でも歌詞の力が尋常ではありません。
大前提として言葉というのは、ヒトの潜在意識を大きく書き換えます。
人間の思考や行動は、普段使っている言葉に大きく影響を受けるのですね。
『引き寄せの法則』や『成功者はポジティブな言葉を使っている』というのは、潜在意識に良い情報を与えようというお話なのです。
話を元に戻しますね。
同じ楽曲を何度もリピートするということは、その楽曲の歌詞を何度も聴くということです。
つまり歌詞の言葉が潜在意識に深く刻み込まれるということです。
前置きが終わりました。
ここからAKB48の『フライングゲット』の考察を始めていきます。
フライングゲットのサビには次のような部分があります。
------
フライングゲット 僕は一足先に
君の気持ち今すぐ手に入れようか
フライングゲット
何か言われる前に 心の内ビビッと感じるままに
(中略)
フライングゲット
だから誰より早く 君のハートのすべて僕のもの
好きだから ラブ・フラゲ!
------
この歌詞がどれほど戦略的に練り上げられているかを解説します。
まず一つのサビの中に『フライングゲット』という言葉が三回も出ていますね。
ここでは恋愛でも使われる単純接触効果を狙っています。
単純接触効果とは、多く触れるヒト・モノを好きになりやすいという心理効果です。
これはセールスコピーライティングでも良く使うテクニックです。
僕がLPやステップを作る時も、商品名に明るいイメージを乗せながら何度もリピートします。
すると読者の潜在意識の深い部分に商品名が深く刻み込まれます。
それだけでなく、その商品に良いイメージがついた状態で潜在意識に深く刻み込まれるのです。
だからこそ読者は『なんとなく良さそうだな』と感じるのです。
次に下記の部分に注目します。
----
僕は一足先に
君の気持ち今すぐ手に入れようか
----
"一足先に"という言葉から、他の人よりも先んじるというイメージが連想されます。
つまりと、他の人との競争に勝って自分が先に行くというイメージです。
これによりファンの間での競争意識を植え付けているのです。
この競争意識が、他の人よりもCDを多く買って認められるんだ!という焦りを生み出しています。
さらにこの競争意識によって生まれた文化が『AKB総選挙』です。
国の一大イベントとも言えるほどの熱狂を起こしていましたね。
"君の気持ち今すぐ手に入れようか"の言葉も巧妙です。
ここでいう"君"とは、おそらく自分が推しているアイドルのことでしょう。
つまり"君の気持ち今すぐ手に入れようか"とは、好きなアイドルの気持ちを手に入れよう!という煽りです。
でも、好きなアイドルの気持ちなんて手に入るわけないですよね。
だから熱狂的なファンは「これだけCD買って、グッズもたくさん買って、これだけお金を注ぎ込んでいるのだから、どうか自分に振り向いてよ!!」という無限ループに陥ってしまうわけです。
そしてビジネス的には顧客単価の向上が期待されます。
これによってビジネスとしてのアイドルが成り立っているのですね。
(・・・語り出したら終わらない_| ̄|○)
これ以上語ると毎日noteとしては膨大になってしまうので、次回以降に改めて解説していきたいと思います。
もし「この楽曲の歌詞に込められた裏の戦略を聞いてみたい」というご要望がありましたら、ぜひコメント欄でご質問をいただけると幸いです。
(グループ名が変わりましたが、欅坂46とか良い教材じゃないかな...)
ということで今日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
過去のオススメ記事
この記事が面白かったら、ぜひいいねやフォローで応援していただけると嬉しいです!
良いなと感じましたらサポートして頂けると嬉しいです! いただいたサポートは全てクリエイター活動に使わせていただきます!