実録!!うちの味噌づくり(2)
前回の続き。
前回は、茹でてマッシュした大豆・麹と塩を混ぜたものをよーく混ぜるというところまでをご紹介した。
今回は、味噌玉をつくるところからスタート。
大きなおにぎりを握るようなイメージで、
ソフトボール大の味噌玉をつくっていく。
ハンバーグをつくるときのように空気を抜きながら行う。
なぜわざわざ味噌玉をつくるのか。
マッシュしたものを容器に詰めていけばよいのではと思う方もいらっしゃるかもしれない。
少量作る際は味噌玉を作らなくても構わないが、ある程度の量になると味噌玉を作ったほうが効率がよいと思う。
普通に詰めると丸めない分空気が入りやすくなりカビの原因になるし、
掬っては容器に入れ掬っては容器に入れ・・・を繰り返すのも大変なので、やはり味噌玉を作るのをおすすめする。
だいたいこんなかんじ。
なお、大豆を茹でている間に、できた味噌玉を乗せるためのお盆やバットを用意しておくとスムーズに進む。
うちは大きなお盆の上にラップを敷いている。乗り切らない分は鍋に山積み。
最終工程。
出来上がった味噌玉を容器に詰める。
容器は、ほうろう、ガラスびん、プラスチックのタッパー・容器、ジプロック、木桶、甕などさまざまなものが使える。これまで私は甕以外は試したが結論から言うと、どんな容器でも味噌はちゃんと出来る。
しかし、使う容器によって、発酵のスピードやカビやすさなどに違いが出る。違う機会に改めてまとめたいと思う。
それでは保存容器に詰めていく。
今回使用するのは、木桶とほうろうである。
ほうろうやプラスチック容器は、カビ防止のために念のため焼酎で消毒をしておく。
容器が準備できたら、出来上がった味噌玉を容器に押し付けるようにして平らに詰めていく。
容器に味噌玉をスポーンと打ち付けるようにして投げ入れる。
こうすることで空気が抜けやすくなる。
もちろん、味噌玉を投げつけずに普通に敷き詰めても構わない。
とにかく空気が抜ければなんでもOK。
投げ入れたら、グーで隙間なくぎゅうぎゅうに敷き詰めていく。
味噌の内部がカビるということは経験上ないが、
味噌は空気があるとそこからカビる。
念には念をということで気泡ができないようまんべんなく敷き詰めていく。
すべて詰め終えたら、容器の淵などについた汚れをふき取る。
最後に、味噌の表面に蓋をして空気に触れないようにする。
ここで登場するのが、
酒粕である。
これは約5mm厚さの板粕だが、柔らかめの酒粕でもOK。
板粕のほうが貼り付けやすいので私は板粕派である。
この酒粕を、味噌の表面にはりつける。
前は味噌の表面にラップをしていたのだが、端っこの方がかならずカビた。
だが、この酒粕メソッドにしてからは味噌との密着度がラップより高いためかカビとは無縁になった。
酒粕蓋は、粕汁にしたり漬け床として使えたりできてうれしい。
日付と、使った材料のことなどを書いて貼っておくとあとでわかりやすい。
あとは、家の中の湿気の少ない暗いところ、温度が一定のところを選んで保存するだけ。
わたしは埃っぽくなるのが嫌なので風呂敷に包んで保管している。
これにて味噌づくり、終了である。
味噌をはじめ、発酵食品は魔法のようだといつも思う。
大豆と麹と塩しか使っておらずただ置いておくだけなのに、
時間が経つと色が濃くなり、麹の粒が姿を消し、香りが立ちのぼる。
春を過ぎ、夏を超え、秋に入り、また冬がめぐってくる。
1年経つか経たないうちに、おなじみの味噌が出来上がっている。
本当にすごいことだとしみじみと思う。
私はいちおう分量を量ったり潰したり詰めたりと、お膳立てをするだけだ。
素材自身や常在菌のみなさんが置かれた環境で頑張った賜物だと思う。
私が作りました、というよりは、手伝いました、という感覚だ。
人智の及ばぬ・・・といっては大げさかもしれないが
味噌づくりの面白さは、そういう”天任せ”なところにあると思う。
ほうろうや木桶の中でどんなことが起こっているのか。
ひっくり返して中を確認するのは野暮という気がする。
何も知らぬまま、1年後に蓋を開けるくらいが私にはちょうどいいのだ。
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